研究課題
本研究では,「かわいい」を,接近動機づけを伴う社会的なポジティブ感情であると定義して,多角的な検討を行った。主な研究成果は,以下の7つである。(1)前年度に作成した,かわいさの程度を操作した幼児顔を用いて,脳波と表情筋の反応を測定した。かわいさが低くなるように変形させた顔は,高くなるように変形させた顔に比べて,大きな脳電位反応を引き起こした。このことから,人々は,実際よりもかわいさの高い顔を幼児顔のプロトタイプとして持っている可能性が示された。(2)高齢者にとっての「かわいい」に関するインタビュー結果を論文にまとめた。高齢者は,見た目よりも対象との関係性に基づいて,かわいいと感じていることが分かった。(3)日本・アメリカ・イスラエルで国際比較調査を行った。日本だけでなく,海外でも「かわいい」やそれに関連する語がポジティブな意味を持ち,関心や好意度が高いことを示した。(4)子育てに関する動機づけの個人差を測る日本語版尺度を開発した。保護と養育の二次元が存在することを確証した。(5)ベイズ最適化法を用いて子どもの顔形状とかわいさ評定との心理物理関数を求めた。アルゴリズムを改善することで処理速度を高め,サーバーを通じたインターネット調査が可能になった。(6)かわいい写真を取り入れた瞑想(メンタルトレーニング)法を開発し,その効果を従来の方法と比較する実証研究を行った。新しい方法には少なくとも参加動機づけを高めるメリットがあることが示唆された。(7)本研究で得られた知見や国内外の文献調査に基づいて,科学的な「かわいい」研究に関する一般書と総説論文を執筆した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
SAGE Open
巻: 11 ページ: 1-16
10.1177/2158244020988730
食品と科学
巻: 63 ページ: 66-69
児童心理学の進歩
巻: 59 ページ: 1-24
老人社会科学
巻: 41 ページ: 409-419
生産と技術
巻: 72 ページ: 94-97
巻: 9 ページ: 1-7
10.1177/2158244019869904
Innovative Research in Japanese Studies
巻: 3 ページ: 13-32
FRAGRANCE JOURNAL
巻: 47 ページ: 2-3
https://cplnet.jp/kawaii/