研究課題/領域番号 |
17H02656
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研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
井澤 修平 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 産業ストレス研究グループ, 上席研究員 (00409757)
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研究分担者 |
野村 収作 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80362911)
菅谷 渚 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90508425)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ストレス / コルチゾール / 毛髪 / 爪 |
研究実績の概要 |
「ストレスホルモン」として知られているコルチゾールは従来、血液や唾液から測定されることが多いが、これらの試料のコルチゾールは、日内変動や急性ストレスなどのその時点の影響が大きく、慢性ストレスの評価指標として用いるには必ずしも適していない。本研究ではこういった問題点を考慮し、数週間~数か月の長期的なコルチゾールの分泌の評価手法として毛髪や爪の試料に注目し、毛髪や爪のコルチゾールの妥当性を検証するために、従来からの指標(唾液)との比較を行った。 具体的には、24名の健常者を対象に30日間の唾液採取を実施した。1日あたり3回(起床直後、30分後、就寝前)、自宅で唾液を採取させた。唾液は酵素免疫測定法によって測定した。また、それと同時に毛髪と手の爪の採取を実施した。毛髪は、唾液採取期間が終了したタイミングで、後頭部の根元から実験者が採取した。爪は8か月の期間、15日に1回のペースで対象者自身で継続的に採取させた。採取した毛髪・爪試料からは、申請者らが確立した手法により、洗浄、粉砕、抽出の前処理を行った後に、酵素免疫測定法によってコルチゾール濃度を測定した。その結果、30日間の唾液コルチゾール値(積分値)は、毛髪の根元から1センチ部分(最近1か月に伸びた毛髪部分に相当)のコルチゾールと中程度の相関を示した。爪のコルチゾールに関しては、数か月後に採取した爪のコルチゾールと唾液コルチゾールの間に中程度の相関が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験を行うフィールドを変更したため、実験の開始が遅くなったが、現時点では実験も完了し、進捗として問題ないと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
得られた実験結果について、統計解析を進め、学会発表や論文発表を行う予定である。また、足の爪試料も同時に収集したため、コルチゾールの測定を行う予定である。
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