研究課題/領域番号 |
17H02665
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
丸山 恭司 広島大学, 教育学研究科, 教授 (30253040)
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研究分担者 |
吉田 成章 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (70514313)
桑山 尚司 広島大学, 教育学研究科, 講師 (90379850)
久恒 拓也 広島大学, 教育学研究科, 助教 (30781257)
竹内 伸一 名古屋商科大学, 経営学部, 教授 (60774487)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 教師教育者 / 授業研究 / ケースメソッド / 教職高度化 / 教職課程担当教員 |
研究実績の概要 |
研究代表者と研究分担者は次の3つのサブセクションに関わって理論研究及び調査研究を進めた。すなわち、(1) 教職課程研究と教職課程担当教員養成、(2)専門職の養成・研修方法としてのケースメソッド開発、(3)授業研究を中心とした教師教育者研修プログラムの開発と実践、である。さらに、これらについて、内外の研究者を訪問もしくは招聘し今後の研究の調整を図った。 具体的には、まず(1)について、広島大学大学院教育学研究科の博士課程後期にて実施している「教職課程担当教員養成プログラム」の運用に関わりながら、引き続き広島大学における教職課程を履修している大学生を対象に教職課程の意識調査を大学院生とともに行い、その成果を中国四国教育学会において発表するとともに報告書にまとめた。また、プログラムの10年間の成果を書籍として出版した。次に(2)について、ミネソタ大学からカンタベリー大学に異動した海外協力研究者のM.サトー氏と今後の研究の進め方について他用務にて来日中に東京で協議した。また、国内大学の研究者と連携しながら、教育学領域におけるケースメソッド教育の普及・検証を、道徳教育とスクールリーダー養成の2分野において進め、学会等での成果発表ならびに研修会等で実施・検証を行った。(3)については、ライプツィヒ大学との共同研究を進め、広島大学にて報告会を開催するとともに、北京師範大学で開催されたWorld Association of Lesson Studiesにおいて発表した。海外との協力連携については、上記に加え、カンボジアで開催されアジア教育学会において、カンボジア教育省担当官、王立プノンペン大学教育学部長、JICA支援担当者らとともにシンポジウムを開催し、教師教育者の養成・研修を必要とする背景を報告し、その方策を探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、3つのサブセクション、すなわち、(1) 教職課程研究と教職課程担当教員養成、(2)専門職の養成・研修方法としてのケースメソッド開発、(3)授業研究を中心とした教師教育者研修プログラムの開発と実践、に分けて、研究を遂行し、それぞれの成果を国内外に波及させることを目指している。2年目となる平成30年度は、前年度の成果を深化させつつ、引き続き内外の研究協力者との打ち合わせ、理論研究及び調査研究を進める計画であった。ほぼ、予定通りに進み、(1)については成果を書籍として公刊することができ、計画時点よりも高い成果が得られた。(2)については、海外の研究協力者が所属大学を異動したため若干の変更が必要となっているものの、国内の実践では、研究分担者が養成と研修それぞれの実践を試行しており成果が蓄積しつつある。(3)については、(1)と連動させつつ、ライプツィヒ大学との共同研究が順調的に進んでおり、十分な成果が見込まれる。特に海外への波及としては、カンボジアの教員養成大学新設にあたり教師教育者の養成・研究に関わる現地の要望を調査したところ、ケースメソッドや授業研究とともにアクションリサーチの習得が求められていることがわかった。そのため、カンボジアにおける教師教育者の養成・研修モデルには、アクションリサーチの組み入れが有効であると判断し、モデル化を進めることとした。研究分担者の校務の都合のため、ドミニカ共和国での調査を実行できなかった点で遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
【モデル開発の継続と試行】 研究代表者と研究分担者は引き続き次の3つのサブセクションに関わって理論研究及び調査研究を進める。すなわち、(1) 教職課程研究と教職課程担当教員養成、(2)専門職の養成・研修方法としてのケースメソッド開発、(3)授業研究を中心とした教師教育者研修プログラムの開発と実践、である。 さらに、これらについて、海外の研究者(ライプツィヒ大学、フロリダ州立大学)を訪問ないし招聘し、今後の研究の調整を図る。研究組織は研修プログラムを立案し、広島大学において試行するとともに、カンボジアにおける個別事情の調査と規定諸要因の分析を踏まえたモデルの開発を進め、アクションリサーチも取り入れたモデルをカンボジア教員養成大学において試行する。また、かつて広島大学の協力のもと教員養成に授業研究を取り入れたサントドミンゴ自治大学における現状調査を行い、再試行の可能性を探る。 以上の成果の中間報告を、8月にライプツィヒ大学で開催されるシンポジウム、9月にオランダで開催されるWorld Association of Lesson Studies、11月に松山大学で開催される中国四国教育学会において発表する。
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