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2021 年度 実績報告書

授業研究を通じたプロフェッショナル・キャピタルの構築に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H02674
研究機関国立教育政策研究所

研究代表者

千々布 敏弥  国立教育政策研究所, 研究企画開発部教育研究情報推進室, 総括研究官 (10258329)

研究分担者 小柳 和喜雄  関西大学, 総合情報学部, 教授 (00225591)
久野 弘幸  中京大学, 教養教育研究院, 教授 (30325302)
サルカルアラニ モハメドレザ  名古屋大学, アジア共創教育研究機構(教育), 教授 (30535696)
木原 俊行  大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (40231287)
木村 優  福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 教授 (40589313)
柴田 好章  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (70293272)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードエージェンシー / リフレクション / 省察 / ソーシャルキャピタル / 社会関係資本 / 組織開発 / 教育委員会 / 指導主事
研究実績の概要

本研究はハーグリーブスとフーラン(2012)が提起した専門職資本の枠組みに従い、学校の人的資本、社会関係資本、意思決定資本が授業研究を通じて組織的に変容する構造を分析したものである。
授業研究については研究授業等の回数よりも実施内容が学校の状況に影響していることが明らかになっているが(千々布2011)、どのような授業研究がいいのか論者により異なっている。いずれの立場においても鍵となるのは教師の省察の深さであるというのが、本研究の第一の結論である。バンマネン(1977)は省察を技術的省察、実践的省察、批判的省察の3段階に区分している。いずれの授業研究であっても与えられた手法をなぞるだけの技術的省察では教師の改善は見られず、実践的省察や批判的省察まで深まることで初めて変容が見られる。
実践的省察や批判的省察を深める鍵になるのが、教師エージェンシーである。エージェンシーとは主体性や自律性と似た概念だが、社会的文脈の影響を認めていることと、その中で問題解決に取り組む姿勢が重視されている点で異なっている。本研究では、エージェンシーを発揮することと省察を深めることが相互に影響し合う状況を意思決定資本と解し、教師同士の支え合う関係である社会関係資本、個々の教師の力量である人的資本と循環しながら拡大している枠組みを設定した。
この枠組みを使用すると、教育委員会の指導行政が学校のエージェンシーを尊重すること、校長のリーダーシップ発揮において教師集団のエージェンシーを尊重することが学校の変容において重要となる。多くの自治体がモデルとしている秋田県の指導行政は学校のエージェンシーを尊重していることが指導主事インタビューを通じて明らかになった。また、近畿圏の学校が変容した事例分析からは、指導主事と校長が教師集団のエージェンシーを尊重したことで、校内の社会関係資本が増大した様子を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 多文化共生教育に関する現職教員向け研修プログラムの開発2022

    • 著者名/発表者名
      木原俊行, 田村知子, 岡田和子, 田中滿公子
    • 雑誌名

      大阪教育大学紀要. 総合教育科学

      巻: 70 ページ: 405-422

    • DOI

      10.32287/TD00032253

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 専門職資本と授業研究の関係-カザフスタン調査を基に-2021

    • 著者名/発表者名
      千々布敏弥
    • 雑誌名

      国立教育政策研究所紀要

      巻: 150 ページ: 7-21

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学校における実践研究に対するオンラインコンサルテーション2021

    • 著者名/発表者名
      木原俊行, 長谷川元洋, 山本朋弘, 中橋雄, 今野貴之, 関戸康友
    • 雑誌名

      日本教育工学会論文誌

      巻: 45 ページ: 105-108

    • DOI

      10.15077/jjet.S45056

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 教職大学院実務家教員による教育実践研究の実態:教師教育者としての取り組みに注目して2021

    • 著者名/発表者名
      木原俊行、小柳和喜雄、野中陽一
    • 雑誌名

      日本教育工学会論文誌

      巻: 45(2) ページ: 235-245

    • DOI

      10.15077/jjet.45035

    • 査読あり
  • [雑誌論文] オンライン授業を対象とした双方向型演習における教師の授業力量形成に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄、後藤壮史
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集

      巻: 2021(2) ページ: 136-143

    • DOI

      10.15077/jsetstudy.2021.2_136

    • 査読あり
  • [雑誌論文] STEAM教育を学校組織で進めていく際の研究主任チームの役割2021

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄、杉本喜孝
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集

      巻: 2021(1) ページ: 14-19

    • DOI

      10.15077/jsetstudy.2021.1_14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 表情分析の活用による授業分析の試み2021

    • 著者名/発表者名
      柴田好章, CAI Yuying
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集

      巻: 2021(4) ページ: 216-222

    • DOI

      10.15077/jsetstudy.2021.4_216

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生活科における体験 : 「小さな体験」が思考・表現を導く2021

    • 著者名/発表者名
      久野弘幸
    • 雑誌名

      初等教育資料

      巻: 1011 ページ: 50-53

  • [雑誌論文] 専門職の学び合うコミュニティPLCsの協働成熟を支える学校ネットワークとコンソーシアムの可能性2021

    • 著者名/発表者名
      木村優
    • 雑誌名

      教師教育研究

      巻: 14 ページ: 21-27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 探究的な学びを通した生徒Agencyの変容過程の検討 : 中高生の「語り」にもとづく発話分析とエピソード分析2021

    • 著者名/発表者名
      三河内彰子, 一柳 智紀, 木村優, 長谷川友香, 秋田喜代美
    • 雑誌名

      東京大学大学院教育学研究科紀要

      巻: 60 ページ: 663-681

    • 査読あり
  • [図書] 専門職としての教師の資本2022

    • 著者名/発表者名
      アンディ・ハーグリーブス、マイケル・フラン著、木村優、篠原岳司、秋田喜代美監訳
    • 総ページ数
      406
    • 出版者
      金子書房
    • ISBN
      4760826823
  • [図書] 先生たちのリフレクション2021

    • 著者名/発表者名
      千々布敏弥
    • 総ページ数
      227
    • 出版者
      教育開発研究所
    • ISBN
      4865605460

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公開日: 2022-12-28  

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