研究課題/領域番号 |
17H02675
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
屋敷 和佳 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (70150026)
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研究分担者 |
山口 勝己 東京都市大学, 共通教育部, 教授 (30200611)
藤原 直子 九州大学, 人間環境学研究院, 学術協力研究員 (70599795)
丹間 康仁 帝京大学, 教育学部, 講師 (10724007)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 学校建築史 / 教室空間 / 教科教室制 / オープン型教室 / 学校統廃合 / スクールバス |
研究実績の概要 |
①前年度作成した第1段階の戦後学校建築年表に新たな事象記載等を加えるとともに,全体の調整を図り完成度を高め,今日に至る戦後学校建築の歴史を俯瞰する本格的な年表作成を前進させた。 ②教室空間の在り方に大きく影響を与える教育内容・教育方法に関わり,秋田県における教育実践を踏まえながら,アクティブ・ラーニングに至る認識論の変遷を整理した。また,学校設計の基礎となる教室空間論(言説)の変遷について整理を開始する一方,建築学主導の教室空間論に基づいて建設された教室が教育現場にどのように評価されているかについて事例的に分析を進めた。 ③新制中学校における教科教室制の実施状況,実施要因と当時の文部省政策,その後の廃止理由等について,新たに文献調査を重ねて分析を深めた。また,中学校における教科教室制の実施状況を質問紙調査で探った。質問紙調査からは,平成30年度現在,全国67校の国公立中学校において教科教室制が実施されていること,また,教科教室等を生かしたアクティブ・ラーニングの取組が進んでいること等が明らかになった。 ④教育委員会及び学校訪問調査を実施し,福岡市及び仙台市における小学校オープン型教室整備の変遷を分析した。この作業は②③と同様に,教育理念・方法・学校運営等のソフト面と施設・設備・機器等のハード面の対応の検証につながった。 ⑤秋田県の市町村教育委員会を対象に,近年における学校統廃合の実施状況及び統廃合の条件となるスクールバス等の運行状況について質問紙調査を行い,県内の通学環境の全体像を把握した。また,大仙市においてスクールバス運行の事例分析を行い,併せて学校建築に及ぼす少子化の影響の一端を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査に基づく分析については,一部資料の発掘や入手等に困難があることから,計画よりもやや遅れ気味である。しかし,質問紙調査や現地訪問調査については,引き続き教育委員会や学校の積極的な協力を得ており,計画以上の進展をみている。
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今後の研究の推進方策 |
現在の研究体制と推進速度を維持しつつ,研究全体の調整を図り,最終年度の報告書作成に取り組む。
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