研究課題/領域番号 |
17H02677
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
両角 亜希子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (50376589)
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研究分担者 |
川嶋 太津夫 大阪大学, 高等教育・入試研究開発センター, 教授 (20177679)
小方 直幸 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (20314776)
福留 東土 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (70401643)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 学長 / リーダーシップ / 大学経営 / 研究プログラム / 能力開発 |
研究実績の概要 |
本科研では大学の上級管理職の育成に関する基礎的な研究とアクションリサーチを行うことを目的としている。初年度は主に以下の5つの作業を行った。 第一は、日本における既存の大学上級管理職の研修・教育プログラムについての実態把握とその整理である。大学団体等へのインタビュー調査等からその概要を明らかにし、『大学経営・政策研究』に論文「大学上級管理職向け研修の現状と課題」を発表した。第二は、学長・学長経験者に対するインタビュー調査である。学長のリーダーシップ、学長に必要な能力やスキルについて、学長自身がどのように捉えているのか、またそれらをどのような経験や学習を通じて獲得してきたのかについて尋ねた。国公私立の学長・学長経験者10名に対する調査を実施し、その内容を分析している。第三は、大学経営におけるリーダーシップ、組織文化などに関する理論的な検討である。とりわけ学術上級管理職の役割に焦点を当てて検討を行った。第四は、アクションリサーチに向けた試行・準備である。研究代表者が所属する大学経営・政策コースの秋学期の授業で、学長や学長経験者を招いた授業を試行した。また、海外の大学院プログラム等で多く用いられているケースメソッドの手法を習得すべく、研修等への参加を行った。第五は、次年度に実施予定の総務・財務担当副学長向けのアンケートに向けた準備で、各大学の経営情報をウェブサイト等から入手し、財務情報の分析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に掲げた内容をほぼ実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
学長・学長経験者へのインタビュー調査を通じて、何が学長のリーダーシップで必要な能力なのか、それをどのように身につけてきたのかについて、事前に想像していた以上に大きな幅があることが分かった。そこで、当初の計画では初年度に10名ほどのインタビュー調査のみを考えていたが、同様の調査をさらに継続することにしている。とりわけ、理事長・理事会との関係のあり方が多様である私立大学の学長に対するケースを増やす必要性を感じている。 今年度は、昨年度に収集した経営情報を分析しつつ、大学の改革状況を把握する訪問調査を重点的に実施する予定である。今年度末に総務・財務担当副学長に対するアンケート調査の実施を行いたい。
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