研究課題/領域番号 |
17H02684
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
西島 央 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (00311639)
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研究分担者 |
矢野 博之 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (40365052)
藤田 武志 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70324019)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 部活動 / 高等学校 / 教員 / 生徒 / 学校規模 / 質問紙調査 / 教育社会学 |
研究実績の概要 |
本研究は、中学校・高等学校の部活動の適正設置数を、生徒数・教員数等の学校規模と学校の施設・設備状況、地域社会の社会教育状況等から勘案して探ることを目的としている。 当初、2017年度から2021年度までの5年間で行う計画の調査研究であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、学校が休業したり、オンラインでの授業になったり、いわゆる対面授業が再開してからも、部活動は規模を縮小して行ったり、また研究者が学校に入りにくい状況になったりしていたため、2019年度から2021年度にかけて行う予定だった,高等学校の管理職、教員、生徒対象の3つの調査は、仲介の全国高等学校体育連盟の指示により、実施できないままになっていた。ただし、2021年度に、高校管理職調査のみを実施することができた。 2022年度には、新型コロナウイルス感染拡大状況が落ち着いてきて、学校もだいぶ平常に戻ってきたことを受けて、いくつかの高校と中学校で、管理職などからコロナ後の部活動のようすをうかがった。中学校では、本研究課題のテーマよりも、部活動の地域移行に関心が移っており、高等学校もそのあおりで、今後の部活動の在り方に関心が移りつつある状況であることがうかがえた。 12月になってから、高等学校体育連盟の仲介で、教員と生徒対象の調査ができることとなり、2023年1月に両調査を実施した。調査協力校の依頼には苦労して、9都県から1~2校程度ずつから協力を得られたものの、代表性の点で課題がある。そのため、個々の学校単位での共通点と相違点を捉えることと、中学校調査の結果との違いを捉えることしかできそうになかったが、その範囲での質問紙を作成して、教員調査は19校、生徒調査は12校で調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度末からの新型コロナウイルス感染拡大により、学校が休業したり、オンラインでの授業になったり、いわゆる対面授業が再開してからも、部活動は規模を縮小して行ったり、また研究者が学校に入りにくい状況になったりしていたため、2019年度から2021年度にかけて行う予定だった,高等学校の管理職、教員、生徒対象の3つの調査は、仲介の全国高等学校体育連盟の指示により、実施できないことになっていた。当初2019年度末から2020年度始めにかけて行う予定だった管理職調査は、2021年度に実施できたが、教員調査は実施できないままになっていた。そのため、2020年度の研究費を2022年度まで繰り越すことになった。 「研究実績の概要」でも述べたように、この数年の間に部活動の課題をめぐる社会情勢は大きく変わり、学校内での課題改善に資するべく計画された本研究課題のテーマとは違う、部活動を地域に移行させるという課題解決に取り組むことに、行政も社会も移ってきており、これ以上本研究課題を継続させる意味はないと考えて、もし、2022年度に残りの調査ができなくても、2022年度限りで調査をやめることを検討し始めていた。 2022年度の12月になってから、仲介の全国高等学校体育連盟より、教員調査と生徒調査の実施の許可が下りたが、年度内に残された準備時間が不十分だったこともあり、当初予定していた規模と内容での調査の実施はできなくなってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度から繰り越した研究費を用いて、高等学校の教員及び生徒対象の質問紙調査を実施して、データ入力と分析・考察を行う。 「研究実績の概要」及び「現在までの進捗状況」に書いたとおり、当初予定していた規模での調査の実施はできなくなったが、小規模でも現時点での高等学校の部活動の規模に関わる実態を把握しておくことは、今後の高等学校の部活動の在り方を検討する際の貴重なデータになると考えられる。そこで、高等学校の部活動の全体像を捉えることは無理だが、規模の点から中学校との比較をしたり、調査に協力してくださった高等学校間での比較をしたりして、特徴と課題を把握することに努めたい。 なお、当初予定していた、ドイツのスポーツクラブとの比較研究は、世界的な新型コロナウイルスの流行と、ウクライナでの戦争の状況を鑑みて、中止することとした。ただし、ドイツのスポーツクラブとの比較研究は、今後、日本の中高生世代のスポーツ・芸術・科学の活動の在り方を考える際に、貴重な示唆を与えるものと考えられる。機会を改めて、調査研究に取り組むことにしたい。
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