研究課題/領域番号 |
17H02686
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
孫 安石 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (30321954)
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研究分担者 |
周 一川 日本大学, 理工学部, 教授 (00303008)
見城 悌治 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (10282493)
王 雪萍 東洋大学, 社会学部, 准教授 (10439234)
大里 浩秋 神奈川大学, 外国語学部, 名誉教授 (70221124)
川島 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90301861)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 中国人留学生 / 遼寧師範大学 / 南開大学 / 東亜同文書院 |
研究実績の概要 |
本研究は、留学生を日中の教育交流史の重要なアクターとして位置づけ、明治以来の中国人留学生と日本との関係を「教育」の交流という視点から捉えなおすことで、日中間の人的往来がもたらしてきた正負の遺産を明らかにするとともに、日本における研究蓄積を中国語圏に発信していくことで、東アジアの高等教育研究の交流を実現することを目的とする。 具体的には(1)中華民国教育部(台湾)と日本側の「日米学生会議」や「国際学生会議」等の資料との比較検討を行い、アメリカの学生との交流という複合的視座を確保する、(2)東京都立図書館の実藤文庫の再調査を実施する他、終戦前後に解散、改編を迫られた留学生支援団体の実態を明らかにする、(3)国際シンポジウムを中国などで開催する他、中国語の論文集を刊行(上海人民出版社を予定)し、日本側の優れた研究業績を中国と欧米諸国の研究者が共有できる研究インフラを構築する。 以上の研究目的を達成するために2017年には大連の遼寧師範大学、天津の南開大学で開催されたシンポジウムに参加し、活発な意見交換を行い、神奈川大学においても研究会を複数開催することができた(東亜同文会関連、現代留学生問題などを取り上げたもの)。また、東京大学文書館にも関連資料が保存されていることを確認することができた。 これらの諸活動についてはHPのhttp://chineseovers.jugem.jp/にすべての情報を公開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
具体的な研究計画の中で取り上げたのは、(1)中華民国教育部(台湾)と日本側の「日米学生会議」や「国際学生会議」等の資料との比較検討を行い、アメリカの学生との交流という複合的視座を確保する、(2)東京都立図書館の実藤文庫の再調査を実施する他、終戦前後に解散、改編を迫られた留学生支援団体の実態を明らかにする、(3)国際シンポジウムを中国などで開催する他、中国語の論文集を刊行(上海人民出版社を予定)し、日本側の優れた研究業績を中国と欧米諸国の研究者が共有できる研究インフラを構築する、ことであるが、(2)と(3)について概ね順調に研究が進展しているが、日米学生会議、国際学生会議についての資料調査がやや遅れているので、改善を急ぎたい。研究活動については、HPのhttp://chineseovers.jugem.jp/を参照のこと。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究目的と研究計画の通り、概ね進展している。今年は横浜における国際シンポジウムを開催するほか、活発な研究例会の成果を社会に還元するために論文集の発行準備に取り掛かる計画である。また、江蘇師範大学にて開催されるシンポジウムにも参加の予定である。さらに、東京大学文書館にも中国人留学生関連の資料が所蔵されていることが分かったので、基礎調査を実施したい。
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