研究課題/領域番号 |
17H02700
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤井 浩樹 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (30274038)
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研究分担者 |
宮野 純次 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (00229874)
渡邉 重義 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (00230962)
能條 歩 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20311524)
土井 徹 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (60782125)
加藤 内藏進 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (90191981)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ESD / 理科教育 / 教育課程開発 / 日独共同研究 / SDGs |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development、ESD)の世界的展開をめざしたユネスコの「ESDグローバル・アクション・プログラム」(2015-2019年)及びその後継の「ESD for 2030」(2020-2030年)に対応し、ESDを取り入れた小・中学校理科の教育課程を日本とドイツの共同研究によって開発することである。そこで、サステナビリティ(持続可能性)の考え方を導入した理科の目標を設定し、気候変動・エネルギー、生物多様性、及び防災に係る理科の新しい単元と授業を開発する。 そして、両国の小・中学校において採用可能で、国際的に通用する教育課程の範例を提示する。 令和元年度(3年目)は、以下の研究を実施した。(1)前年度までに開発・実践した単元と授業について、その有効性と問題点、改良点を明らかにした。(2)改良点に基づき、単元と授業の開発・実践・評価を継続した。新たに開発した単元は、小学校第6学年の単元「外来種の影響」(生物多様性)ならびに中学校第2学年の単元「温暖化と大気中の水蒸気との関係」(気候変動・エネルギー)であった。また、ESDの主な領域の一つである「持続可能な消費と生産」を新たに取り上げ、小学校第6学年ならびに中学校第1学年の単元「瀬戸内海のマイクロプラスチック」を開発した。(3)研究の過程で、日本とドイツの参加研究者による中間報告会を実施した(令和元年8月、イタリア・ボローニャ、同地で開催されたESERA(欧州科学教育学会)での研究成果発表を踏まえて)。最終年度に向けて、単元と授業の開発を教育課程の開発につなぐための方策を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、ESDを取り入れた小・中学校理科の単元と授業を継続して開発・実践・評価できたため。また、この活動を教育課程の開発につなぐための方策を検討することによって、最終年度に行う教育課程の範例提示の方向性が明確になったため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である本年度は、次の研究を実施する。(1)前年度までに開発・実践した単元と授業の評価ならびに前年度の8月に実施したドイツ側研究者との中間報告会を踏まえ、単元と授業の改良点を明らかにする。(2)改良点に基づき、単元と授業の開発・実践・評価を継続する。対象学年は小学校第3~6学年、及び中学校第1~3学年とする。このうち中学校理科の気候変動・エネルギーの単元と小・中学校理科の生物多様性の単元では、日本とドイツで同様の実践・評価をし、国際的な通用性の検証を試みる。(3)4年間にわたる単元と授業の開発・実践・評価をもとにして、ESDを取り入れた理科の教育課程の範例を最終的に提示する。
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