研究課題
本研究全体の目的は「教室での教師と子どもによる知の創出と進化を促す学習作業空間のあり方を提案し,その一般化と実践化を図ること」である。計画最終である今年度は実践的取り組みの難しい状況を鑑み,「数学授業における創発カリキュラム」の概念化を進めるとともに,研究全体のまとめと公開を意図して進めることとした。具体的には以下の諸点である:多様なカリキュラムに関わる諸論のレビューと特徴のまとめ,数学における創発カリキュラムと学習過程との差異化,中学校および高等学校数学科授業を中心として,教師による形成的評価と逐次的意思決定の実態を明らかにすること。これらの取り組みは,オンライン形式のセミナーによって発信・交流を続けることとした。そうした中で,創発カリキュラムとインクルーシブ教育との関連に注目することとし,前年度からの課題である「数学学習における障害と負荷」「すべての人のための数学」という着想を得ることとなった。特に前者について,本研究の認識論的基盤である現成主義(エナクティヴィスム)にたてば,自身の意識や意図を超えるものが障害であり,自身による能動的な働きかけとそれへの反応が得られ,かつ学習にとっても効果的であるものが負荷であると考えられた。ここに学習の数学性が伴うためには,取り組む問いのタイプと問題解決活動の展開,活用可能な道具の種類などが要因になることが示唆された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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学部・附属学校共同研究紀要
巻: 48 ページ: 107,115
日本教科教育学会誌
巻: 44 ページ: 109,114
10.18993/jcrdajp.44.4_109
巻: 44 ページ: 69,73
10.18993/jcrdajp.44.4_69
数学教育学研究
巻: 27 ページ: 印刷中