研究課題/領域番号 |
17H02705
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
吉永 安里 國學院大學, 人間開発学部, 准教授 (50714721)
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研究分担者 |
藤森 裕治 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (00313817)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 幼小接続 / 国際比較 / ベルギー / アメリカ / イギリス |
研究実績の概要 |
本研究は、言葉の教育における円滑な幼小接続を実現するための系統的かつ互恵的な実践モデルを開発し、教育実践場面に適用させてその効果を臨床的に検証することである。幼稚園・小学校における言語指導場面を取り上げ、以下の諸項目について分析・検討し、知見を得ることとする。うち,平成29年度に実施した研究調査及び研究成果の発表の概要は以下の通りである。 平成29年度研究概要:準備段階の実績確認・関係諸研究の総括・研究枠組みの設定・論点の整理:ア)これまでに収集した事例群の分析結果、関係諸研究のレビューを統合して示唆される知見の整理と課題の設定、イ)国内外の幼小を調査研究する際の分担・論点・比較基準・報告書式等の確認、ウ)全体を統合して実践モデルを構想する際の役割分担・発表方法等について共通理解を図る。 ①調査データの分析及び発表:平成29年度は,平成28年度に行ったベルギー5校での授業・保育VTRのトランスクライブ及び分析を行い,国内外の学会にて,発表を行った。概要は以下の通りである。(第70回本保育学会岡山大会:ポスター発表/第20回リテラシー学会ヨーロッパカンファレンスマドリッド大会:ラウンドテーブル/第27回ヨーロッパ乳幼児教育学会ボローニャ大会:ポスター発表) ②イギリス4校での幼小接続の実践及び評価方法についての調査:2018年3月5日~9日の日程で,イギリス4校の現地調査を行った。またGuy Claxton(ウィンチェスター大学名誉教授/ロンドン大学キングスカレッジ客員教授)へのインタビューを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画予定のうち,① 個人間・校種間比較:蓄積されたデータにないタイプの幼小教師を対象にして同一教材を用いた読み聞かせ・読みの授業場面を観察し、言葉の指導方略を抽出・分析する。② 長期的観察比較:幼小教師を対象にした長期の授業場面観察を他の学校園で行い、既存のデータと比較検討すると共に、指導方略に関する教師の認識を問う聞き取り調査を実施する。③ 多文化比較:イギリスの幼小(各3学校園)を対象に、幼稚園の読み聞かせ場面と小学校1年生の読みの授業場面との比較分析、及び現地の教育事情に関する聞き取り調査を行う。④ 実践モデル提示:①~③を統合し、実践モデル(第1次)を構想する。①~③については完了し,現在④について共同研究者と共に遂行中である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度以下の計画を遂行予定である。① 個人間・校種間比較:附属学校園等において実践モデル構想(第1次)の検証、データの追加収集、聞き取り調査、教師アンケート等を行う。② 長期的観察比較:実践モデル構想(第1次)についての調査協力者とのカンファレンス、データの追加収集、幼小教師へのアンケート調査(必要時)等を行う。③ 多文化比較:スウェーデンの幼小教師(各学校園2~3名)を対象に、幼稚園の絵本の読み聞かせ場面と小学校1年生の読みの授業場面における比較分析及び現地聞き取り調査を行う。④ 実践モデル提示:①~③を統括し、実践モデルを開発する。うち、実践モデルの立案については当初予定より遅れているため、この点について今年度強化して進めていく予定である。
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