研究課題/領域番号 |
17H02706
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
押谷 由夫 武庫川女子大学, 教育研究所, 教授 (50123774)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 道徳教育の抜本的改善・充実 / 道徳教育の研究動向 / 総合単元的道徳学習 / カリキュラム・マネジメント / 学校・家庭・地域連携 |
研究実績の概要 |
本研究の初年度として、特に次の点に取り組んだ。第1は組織づくりである。本研究を進めるに当たり、外国の道徳教育を研究する組織、国内の道徳教育を研究する組織、具体的に道徳教育実践を研究する組織を創り、それぞれの研究を進める上での体制を整えた。第2は、外国との研究交流を図る上で必要な、日本の道徳教育の現状や改革動向、研究動向、実践状況を説明する英文の資料の作成を行った。英文にする資料について、研究会を設けて検討し、外国の研究協力者にメールで配信した。第3は、現在の道徳教育研究の現状を文献を通して明らかにした。最近刊行された道徳教育に関する研究書や実践書を購入し、内容の分析を行うことから、現在の研究動向と実践動向を明らかにした。道徳教育改革は世界的動向であり、世界の国々が、道徳教育の重要性を認識し、それぞれの国の状況に応じて、社会の変化に対応した社会的自立をめざす道徳教育のあり方について、多様に追究されていることを確認し、その背景の分析を行った。また、日本においては、平成18年の教育基本法改正を契機に道徳教育研究が加速され、平成27年の「特別の教科 道徳」の設置が更に道徳教育研究を実践レベルで活発化している。その研究動向を分析した。第4は、全国アンケート調査の実施と結果の分析である。全国の小学校、中学校の約1割に当たる3000校を無作為抽出し、アンケート調査を行った。約3割の学校から回答があった。各学校で真摯に取り組んでいる実態と課題を明らかにした。第5は、ホームページの作成、公開である。研究内容が大きな改革の渦中にある道徳教育に関する研究であることから、研究成果を順次公表していく必要がある。このことを考慮して本研究用のホームページを開設し、研究成果をアップした。また、研究会を開催して研究者や実践者に研究成果を公開し研究交流を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の初年度ということで研究の基礎固めに力点を置いたが、特に、現状分析において多くの文献を収集し分析したことと、全国アンケート調査を行ったことから、当初予定していた計画よりも、より詳細な分析を行うことができた。また、外国の研究者たちとの交流においても、日本の道徳教育についての現状や研究動向を英文にまとめ配信したことから、多くの情報を得ることができた。これらのことから、これからの研究の方向性と具体的研究推進にかかわって、当初の計画以上の成果をあげることができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、研究代表者を務める挑戦的萌芽研究が最終年度に当たることから、その研究とも関連をもたせながら、本研究の充実を図りたい。外国の道徳教育についてはアメリカでの現地研究及び研究交流を計画している。また、日本の道徳教育においては、優れた実践研究を行っている学校との研究交流を深め、具体的な道徳教育プログラムの開発に取り組む。さらに、全国アンケート調査も行い、今回行った調査結果と比較しながら学校現場の実態や課題について更に詳細に分析する予定である。研究成果の発表においては、関東と関西においてフォーラムを開催し、研究成果の一部を公開し、参加者との質疑応答や、研究交流を通して、研究成果の普及と精緻化を図っていきたい。
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