研究課題/領域番号 |
17H02712
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
竹野 英敏 広島工業大学, 情報学部, 教授 (80344828)
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研究分担者 |
井上 和重 広島工業大学, 情報学部, 助教 (10796022)
青木 真吾 広島工業大学, 情報学部, 准教授 (80364024)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 初等教育 / プログラミング学習 / 教材開発 / 評価 / 光トポグラフィ / 視線計測 |
研究実績の概要 |
我が国の小学校のプログラミング学習の現状と特徴について,小学4,5,6年生1051名を対象に質問紙調査を実施し,有効回答数703名であった。「プログラミング」の経験群298名と未経験群405名とに分けて,分析・考察をした結果,プログラムを作成できるようになった小学生とプログラムをうまく作成できない小学生との間には,プログラミングに対する肯定感や,学習意欲,価値観など,意識に明確な差があることが明らかになった。 そして,小学校のプログラミング学習について,「プログラミング」経験者の工業(情報系)高校生10名,情報系大学生10名,情報系企業社会人10名を対象に,インタビュー調査を実施し,考察した。その結果,小学生段階で必要なことについて,具体的な課題を明らかにすることができ,教材や指導法について示唆を得ることができた。 また,プログラミングによる簡単なアプリ開発など,小学生に基本的な情報システム開発を経験するにあたって必要な学習課題を教科書,参考書等の分析から抽出し,学習課題の構造化を図り,知識・技能等の評価規準案を作成した。 さらに,プログラミング学習を実施するため,文部科学省の観点に準じた評価軸を用いて,縦軸に発達段階の教材単元,横軸に単元ごとに観点の目標を設定したモデルカリキュラム案を作成した。 最後に,プログラミングの経験者と未経験者の大学生それぞれ10人を対象に,開発した教材を用いて学習に取り組ませ,その学習課題を解決する過程の間,視線,脳波等の計測,及びタスク分析を行った。その結果,プログラミング学習教材の内容や学習方法の効果を客観的に評価する手法としての有効性について予備実験調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の計画である (1)我が国のプログラミング学習に関する意義と役割の整理するために,①我が国の小学校のプログラミング学習の現状と特徴について,調査を実施し,分析・考察することができた。②小学校のプログラミング学習について,工業(情報系)高校生,情報系大学生,情報系企業社会人にインタビュー調査を実施し,考察することができた。 (2)プログラミング学習に期待する学習課題と評価規準を開発するために,教科書,参考書等の分析から評価規準案を作成することができた。 (3)系統的な教科横断的なカリキュラム,教材及び指導法の開発と実験室的評価を実施するために,縦軸に発達段階の教材単元,横軸に単元ごとに観点の目標を設定したモデルカリキュラム案を作成した。また,視線,脳波等の計測及びタスク分析を用いて,プログラミング学習内容と方法の効果を評価する手法の開発について予備実験調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
①系統的な教科横断型カリキュラム,教材内容及び指導法の修正 教材(年間指導計画,指導案,モデル教材,ワークシート,指導資料)の修正を行う。 プログラミングの経験者と未経験者の大学生それぞれ10人を対象に,作成したワークシート,教材,指導案を用いて,脳波測定,脳血流量測定,視線測定及びインタビュー調査を行い,指導案,ワークシート等の効果について検討し,教材,指導法の再評価を行う。 ②プログラミング学習のカリキュラム,教材内容,指導法を実際の小学校で実証 開発した教材を用いた継続的な実証的研究調査を行い,開発した教材,指導法の評価を行う。
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