研究課題
1)学童期後期群:RTIモデルによる支援を通して発達性ディスレクシアと診断された児童について中学3年まで追跡調査を行った。感染拡大のため2021年度(中学2年時)も郵送調査のみとなった。このため、研究期間を延長し、中学3年となる2022年8月に対面調査を行い、読み能力・学習状況に加えて、英語の習得状況、英語に関わる音韻意識、学習場面におけるノートテイキングの状況等を調査した。さらに2023年3月に、高校入試時の合理的配慮等について郵送による調査を行った。また、2019年度に追跡群の6年時調査で行った英語学習の基礎となる力に関して、対照群となる6年生の調査を行い、これを用いて6年時調査の結果を再分析した。これらの結果については関連学会において自主シンポジウムの形で報告するとともに、「発達性ディスレクシアのある中学生への支援」と題して、学校教員・支援者・保護者を対象とするシンポジウムを開催し成果還元を行った。2)青年期群:2020年度に行った大学生の英語の学習困難と日本語の読み能力の関係に関する調査結果から、英語学習に困難をもつ大学生の中に発達性ディスレクシアと共通の認知背景を持つ者が含まれていることが示唆された。このため、大学生を対象とし、英語能力と英語音韻能力の関連を調査するとともに、脳波(事象関連電位)を用いて英単語の読みの流暢性と文字-音変換処理の自動化の関連を検討した。また、機能的MRIを用い、大学生を対象として認知特性・学習方略との関連を検討した。これらの結果をもとに、読み書きに困難のある青年との脳機能との違いを検討していく予定であったが、研究期間内には実施できなかったため、今後の課題である。3)遺伝子解析:発達性ディスレクシアの家族例を対象として遺伝子検索を行なった。このうち1家系において、海外のディスレクシア家系で報告のある遺伝子変異が確認された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Dyslexia
巻: - ページ: -
10.1002/dys.1737
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