研究課題
量子ポイントコンタクト(QPC)内の量子ホールスピン偏極状態をQPC外の状態からずらすことで、量子ポイントコンタクト近傍のスピン偏極量子ホールエッジチャンネル散乱による核スピン偏極を誘起し、その核スピン共鳴イメージングを行った。その結果、QPC近傍に微視的な電子スピン偏極及び核スピン偏極の分布がそれぞれ数百ナノメートル、数ミクロンメートルのオーダーで存在することが明らかになった。これは、核スピンや電子スピン偏極の不均一性がQPCからサブミクロンからミクロンメートル離れた領域まで広がっていることを示唆している。また、上記イメージングに使用した走査プローブ顕微鏡の金属探針を使い、QPCから1ミクロンメートルの範囲内に探針を近づけることで、QPC内の量子ホール状態制御に成功した。これは、走査プローブを用いたナノ電界ゲートによるスピン偏極量子ホール状態及び核スピン偏極をナノスケールで操作可能であることを意味している。さらに、QPCを用いた電気抵抗測定においては、抵抗検出核スピン共鳴ラインの詳細な解析によりQPC近傍の核スピン偏極や電子スピン偏極の複雑な空間分布の間接的な情報を得ることができた。さらに、センターゲート付きQPCを使うことで、今まで超高移動度2次元電子ガスでのみ観測可能であった偶数分母量子ホールnu=3/2状態を一般的な高移動度2次元電子ガスでも観測することに成功した。これら2件の成果を論文にまとめ発表を行った。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Physics Express
巻: 15 ページ: 025002~025002
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physica status solidi (b)
巻: 259 ページ: 2100504~2100504
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