本研究では、電子直接検出型CMOSカメラを搭載した超高圧電子顕微(HVEM)を用いて、リラクサー強誘電体PMN-0.3PTの分極反転過程の直接観察を試みた。HVEMに対応した新規電場印加ホルダーを製作し、PMN-0.3PT単結晶にHVEM内で電場を印加しながらドメイン構造変化を1/400秒のフレームレートで高速観察した。1 kV/mmの電場印加により、ドメインのコーナーから反転が始まりドメイン内部へと急速に伝播した。分極反転の速度論をKolmogolov-Avrami-Ishibashiモデルに基づいて解析した結果、2次元的な核生成・成長であることが判明した(n = 2.4-3.2)。
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