研究課題
電子線リソグラフィ―、イオン注入、ドライエッチングからなる自己整合プロセスにより、12C濃縮ダイヤモンド薄膜に、底部に単一NVセンターをもつ微小容器を配列形成し、この微小容器内に生体分子溶液サンプルを封入することで達成可能となる、医薬品開発における薬物探索などの創薬応用展開に資する新型のナノNMR計測法を構築した。本研究では、ダイヤモンド基板に化学気相成長(CVD)法によりエピタキシャル成長させた12C 濃度99.98%のホモエピタキシャル薄膜中にイオン注入とドライエッチングを施して微小容器を配列形成し、微小容器内に生体分子サンプルを封入する新型のナノNMR計測法の実行可能性評価を行った。はじめに、リソグラフィーとイオン注入により配列形成したNVセンターを用いたナノNMR の実行可能性評価を定量的に行った。これにより、単一NVセンターの規則配列を形成することに成功した。形成した配列中の単一NVセンターを用いて1H核スピン計測を実行したところ、配列中のほぼすべての単一NVセンターがNMRのスピンプローブとしての性能を有すること、さらに、リソグラフィ―およびエッチングプロセスによるスピンノイズの増加がないことを実験的に確認した。19F核スピンの検出も可能であることも実験的に確認された。次に、上記のプロセスに加え、自己整合的に微小容器を配列形成するプロセスを構築し、その実行可能性を評価した。NVセンターの生成収率から、ドライエッチングによるダメージの導入が確認されたが、光磁気共鳴計測において、Rabi振動およびHahn エコー計測によるNVセンターの性能の劣化が見られないことが実験的に確認された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件)
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