研究課題/領域番号 |
17H02752
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梶 弘和 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70431525)
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研究分担者 |
阿部 俊明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90191858)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ナノマイクロバイオシステム |
研究実績の概要 |
本年度は、主に網膜色素上皮細胞(RPE)層の評価、および摘出ブタ眼球を用いた人工まぶたの評価を検討した。 RPE層の評価では、まず、ポーラス膜で上層と下層の流路が隔てられた2層式の流路チップの上層流路側にRPE層を形成させた。その後、上層流路に蛍光デキストラン(70kDa)を導入したところ、下層流路では蛍光デキストランはほとんど検出されず、RPE層のバリア機能形成が示唆された。また、24時間の疑似低酸素負荷を与えた後に同様の実験を行ったところ、下層流路において蛍光デキストランはほとんど検出されず、当該条件ではRPE層のバリア機能破壊がほとんど進行しないことが示唆された。一方で、当該条件で培養したRPE層からの血管内皮増殖因子(VEGF)の分泌を評価したところ、コントロールに対して有意な増加が確認され、24時間程度の疑似低酸素負荷はRPE層の構造的な変化までは誘発しないが、サイトカインの分泌に影響を及ぼすことが示唆された。次年度は、昨年度作製した人工脈絡膜へのRPE層の集積を検討する予定である。 人工まぶたの評価では、まず昨年度作製した人工まぶたを摘出ブタ眼球上に設置し、40kPa以上の接触圧で作動させたところ、ウェット条件では角膜表面に変化は認められなかった。一方で、ドライ条件で同様の実験を行ったところ、角膜表面に傷の形成が確認された。Ex-vivoモデルで人工まぶたの動作することがわかったので、次年度は3次元角膜培養モデルへの人工まぶたの搭載を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り研究が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
大幅な研究計画の変更は考えておらず、当初の計画に沿って研究を遂行する。
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