研究課題/領域番号 |
17H02754
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
岩見 健太郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80514710)
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研究分担者 |
高木 康博 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50236189)
梅田 倫弘 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60111803)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | MEMS / メタマテリアル / マイクロ・ナノシステム |
研究実績の概要 |
本研究は、将来の立体動画ディスプレイの実現を目指し、可変メタマテリアルによる光変調器の実現を目的としている。平成29年度には、(1)シリコン振動子側面に形成する金属フィンを利用した面内駆動型光位相変調素子の設計と製作、(2)位相変調素子の形状・光学特性同時評価のための計測システム構築、の2つを行った。(1)に関しては、まずデバイス設計に取り組んだ。電磁界シミュレーションを行い、製作するデバイスが所定の位相差変調範囲180度を持つ条件を確認することができ、設計解を明確化することができた。次に、ガラス基板上に表面マイクロマシニング技術と犠牲層エッチング技術によって可動構造を実際に製作することができた。さらに、側壁に堆積した金属膜による光学位相差の発生を確認することができた。また、面外駆動型デバイスの作製も行い、位相変調を確認することができた。(2)に関しては、干渉光学系を有する走査型偏光分解プローブ顕微鏡を製作し、メタサーフェスを透過した光の偏光状態(偏光方向と位相)を可視化する評価システムを構築することができた。このシステムでは、微小開口を有するプローブで試料表面を走査しつつ、開口からの透過光と別航路のリファレンスビームの位相差を干渉計測することによって、変更状態を完全に評価することができる。これにより、ラジアル変更状態やアジマス変更状態といった特異な偏光分布を可視化することが可能となった。これらの結果を用いて、平成30年度以降には、面内駆動型デバイスによる位相変調の実現を目指すとともに、空間光変調器実現のための画素並列化に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に示した(1)シリコン振動子側面に形成する金属フィンを利用した面内駆動型光位相変調素子の設計と製作、(2)位相変調素子の形状・光学特性同時評価のための計測システム構築、の課題それぞれにおいて順調な進捗が見られるため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度以降には、面内駆動型デバイスによる位相変調の実現を目指すとともに、空間光変調器実現のための画素並列化に取り組む。
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