研究課題
既に単結晶トランジスタ構造で電流注入レーザー発振が実現している有機半導体(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー(TPCO)のダブルへテロ積層構造作製用のスライドボート装置改善を継続している。昨年度実施した原料ルツボ内体積の制限により成膜できる状況にはなっていたが、成膜レートの安定化に課題が出てきた。原料射出量とルツボ設定温度などの相関よりも、原料の形態やルツボ内位置のばらつきなどの影響が大きく、作製ごとに温度条件が著しく変化し、膜厚だけで無く、膜のモルフォロジーなども大きく影響を受ける事がわかってきた。原料射出量の安定化を図るため、ルツボ内構造やそのサイズなどを再度再構築するとともに原料自身のサイズ・形態を制御するなど、より細かな改善を進める。また、大きな電流密度が得られるn型TPCOであるAC5-CF3を用いるとCF3置換基が大きいため、分子配向の配列がかなり劣化する事もわかってきた。従って、分子配向が面出射型EL素子として良好になるようBP1T-CNを第1層として用いる点は同じだが、大電流対応に他のn型TPCOを用いるのでは無く、BP1T-CNの膜厚等を制御し、より詳細な装置改善と積層構造の再構築を進める。また、ブレード部分の改造も単一のブレードではなく、細かな分割を導入し、基板との接触状況を改善する。最終年度終了時に実際の素子形成に至らなかった点、非常に残念ではあるが、これらの改善を進め、スライドボート積層膜でのEL素子形成を今後も進める予定である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)
Japanese Journal of Applied Physics 60,
巻: 60 ページ: SBBH11-1, 6
10.35848/1347-4065/abdb7f
APANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS
巻: 59 ページ: 041004-1, 8
10.35848/1347-4065/ab7c0c
Angew. Chem. Int. Ed
巻: 59 ページ: 12674, 12679
10.1002/anie.202000712
RSC Advances
巻: 10 ページ: 24057, 24062
10.1039/d0ra04742b