研究課題
前回の基盤Aの研究「次世代シリコンデバイス機能創出のためのドーパントの多様化」では、放射光を利用した蛍光XAFS測定により、想定外の成果として、Si結晶中へ重金属ドーパントの低次元配列を埋め込めることを見出した。本研究では、この成果を発展させて、この重金属低次元構造体を利用したドーパントの低次元配列をIV族半導体ヘテロ界面に形成するプロセスを研究し、強磁性機能を発現させる。この研究では、輸送特性評価に加えて放射光を利用した界面構造解明技術を積極的に取り入れた。具体的な成果概要は以下の通り。(1)Mnドーパントの2次元配列の構造決定をKEKのフォトンファクトリーにて、三木が全反射型高速陽電子回折(TRHEPD)の実験データを取得し、測定データの解析を一宮氏と共に行い、Si(001)表面上のMn鎖一次元構造を解析中。現在、(001)基板のz方向に対する位置決めま終了しており、最終年度は残る2軸を決める実験が終了し、解析を行っている。(2)Si結晶中に埋め込んだBiドーパントの電気的特性評価Si結晶中に埋め込んだBiドーパントの電気的特性評価を行い、決定した構造評価との相関があることが判明した。3)シリコン以外の結晶中のドーパントの構造決定本研究で培ってきたドーパントの構造評価技術をβ型酸化ガリウム半導体に展開する。昨年度酸化ガリウム中のn型ドーパントの蛍光X線ホログラフィ計測と解析を試行し、ドーパントの主要な原子置換位置が求まった。測定手法の改良と解析手法の発展により、より詳細な計測を実行している。現在、Snドープのn型試料のドーパント周辺の構造決定により、二つあるGaのうちGa2サイトが主な置換サイトになっていることが判明した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Advanced Functional Materials
巻: 29 ページ: 1905365~1905365
10.1002/adfm.201905365