研究課題/領域番号 |
17H02786
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
徳田 規夫 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (80462860)
|
研究分担者 |
加藤 宙光 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (00415655)
大曲 新矢 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (40712211)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 表面・界面物性 / ダイヤモンド |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、省エネ・低炭素社会の実現に期待されている次世代パワーデバイスに関して、大電力制御が可能であり、かつ最も高い省エネ効果が期待されているダイヤモンド半導体を用いた超低損失MOSFET創製のための基盤要素技術を開発し、ダイヤモンドパワーエレクトロニクスの創成に資することである。具体的には、申請者独自の技術である原子レベルで制御した①ダイヤモンド膜の成長技術、②不純物ドーピング制御技術、③表面・界面構造制御技術を応用し、高耐圧・低ON抵抗化に有利な縦型トレンチゲート構造のダイヤモンドMOSFETの創製を目指す。 今年度は、縦型ダイヤモンドMOSFET作製のため、その半導体積層構造となるn/p-/p+積層構造をマイクロ波プラズマCVD法によるホモエピタキシャル成長により形成し、電気的特性評価も行った。その結果、300V以上の耐圧を持つことがわかった。また、ダイヤモンドトレンチ構造形成のためにニッケル中への炭素固溶反応をベースとする非プラズマプロセスとなるダイヤモンドの異方性エッチング技術を開発した。更に、ALD-Al2O3をゲート酸化膜とした(111)ダイヤモンドMOSキャパシタを作製した。その後、電気的特性評価を行い、界面準位密度を見積もった。その結果、反転層ダイヤモンドMOSFETのデバイス特性から見積もられた界面準位密度と同等であり、FET作製プロセスは界面特性に影響を与えていないことがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究実施計画とした①半導体ダイヤモンド積層構造の形成、②トレンチ構造の形成とトレンチ側面の原子的平坦化、③(111)ダイヤモンドMOSキャパシタの作製と評価は、研究実績の概要に示した通り、順調に進展した。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、今年度作製したダイヤモンド積層構造に対して、今年度開発したダイヤモンド異方性エッチング技術を組み合わせることで、縦型ダイヤモンドMOSFETの作製および電気的特性評価を行い、低損失かつ高耐圧の実証を目指す。
|