研究課題/領域番号 |
17H02799
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷田 純 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (00183070)
|
研究分担者 |
小倉 裕介 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (20346191)
堀崎 遼一 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20598958)
西村 隆宏 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10722829)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 散乱 / 機械学習 / イメージング / 計算機ホログラム / 波面補正 / 複眼光学系 |
研究実績の概要 |
本研究は、散乱媒質の入出力応答を機械学習により推定するデータセントリック手法に基づく散乱イメージング技術の開発を目標とする。従来手法では困難な、強散乱媒質を通した信号復元をめざす。本年度は、機械学習モデルの特性を継続して行い、奥行き方法に広がりをもつ3次元物体の観測を実施した。また、複眼撮像系を利用したマルチモーダルセンシングの有効性について検討を行った。 機械学習モデルに基づくイメージングモデルの展開として、深層学習に基づく計算機ホログラム生成法を開発した。多数のスペックルデータセットを計算により生成し、ホログラム再生光学系の逆過程を回帰する。回帰関数が求まれば、非反復的にホログラムパターンを生成することができる。実験により、位相限定計算機ホログラムの検証を行った。 3次元物体の観測において、散乱媒質による波面乱れを補正することが重要となる。この問題に対して、単純な光学系と機械学習に基づいた手法による波面センシング技術を開発した。本手法では、畳み込みニューラルネットワークを用いて1枚の強度画像から波面のゼルニケ係数を直接推定することができる。有効な光信号観測法として、過剰露光、デフォーカス、散乱を導入し、実験的にそれらの有効性を確認した。 複眼光学系によるマルチモーダルセンシングの特性を評価した。複数の異なる視点からの複眼画像を入力とし、それらを統合して単一画像を生成する深層学習モデルを構築した。シミュレーションにより画像データベースから複眼画像を生成し、再構成精度に基づいた評価を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
散乱媒質中の3次元物体イメージングそのものは着手できていないが、機械学習のイメージング応用という提案手法に基づいて計算機ホログラム生成法や全く新しい波面補正技術などの成果が得られている。複眼光学系によるマルチモーダルイメージングの研究も開始しており、研究全体としては順調に進展していると判断される。
|
今後の研究の推進方策 |
人工知能分野では多様な深層学習モデルが提案されており、それらを継続的に調査して、イメージング応用に適したモデルを探索する。実体試料による開発手法の有効性を示すため、実体試料に対する適用事例を蓄積していく。マルチモーダル複眼撮像系に適した機械学習モデルを探索し、その特性を評価する。
|