ラマン散乱顕微鏡は、試料内の分子や結晶構造を分析しながら、それらの空間分布を観察する技術として活用されている。しかしながら、その空間分解能、および時間分解能はラマン散乱の効率の低さに大きく制限され、多くの応用においてその分析力を生かせない状態にある。本研究では、微弱なラマン散乱を用いても、高速かつ高空間分解に各種試料の顕微鏡観察を可能とする、新規の光学技術開発の開発に成功した。また、応用研究においては、開発した技術が、高分子材料、生体試料の観察に実際に適用可能であること、細胞内に分布した高分子材料とを分光分析により見極められること、また細胞種の分別が可能であること示した。
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