研究課題
我々は周波数可変な低雑音なマイクロ発生を実現する新たな方式として、電気光学変調(EO)コムを用いることにより、市販のマイクロ波信号発生器(SG)の雑音を大幅に低減する方法を提案している。この方法はEOコムの中心波長から離れるほどSGの雑音が拡大され、光コムの線スペクトル幅が拡大する。このスペクトル幅をフィードバック制御で狭くすることでSGの雑音を低減できる。昨年度、EOコムの中心波長から約7,200本離れた光コムの干渉信号であるキャリアエンベロープオフセット(CEO)信号を用いてSGの雑音を大幅に低減することに成功した。しかし、実測したSGの雑音は、CEO信号の中心波長から約7,200本離れた光コムの干渉信号から見積もられる雑音の計算結果よりも高い値であった。その原因はCEO信号の信号対雑音比が低いこととフィードバック制御帯域外のSG雑音成分が多く含まれていることであると考えた。そこで、EOコムの繰り返し周波数にFSRを合わせたファブリーペロー共振器を用いることでEOコムのASE雑音が除去され、かつ、従来よりも1桁以上高いCEO信号の信号対雑音比を得ることができた。さらに、マイクロ波用空洞共振器を用いて制御回路だけで低減できないSGの雑音を抑圧することを行った。ファブリーペロー共振器と空洞共振器を用いることで25 GHzのマイクロ波信号の雑音を市販の雑音測定器の測定限界以下まで雑音レベルを低減することに成功した。実際に極低雑音な25 GHzマイクロ波信号雑音を定量的に測定するため、新規にマイクロ波の雑音測定器を構築した。今後はその測定器を用いてEOコムを用いて発生する25 GHzマイクロ波信の雑音を計測する。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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