研究課題/領域番号 |
17H02815
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
量子ビーム科学
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研究機関 | 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発 |
研究代表者 |
大石 一城 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 副主任研究員 (60414611)
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研究分担者 |
大原 繁男 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60262953)
高阪 勇輔 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60406832)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | カイラル磁性 / 中性子小角散乱 / 偏極中性子 / 反対称スピン軌道相互作用 |
研究成果の概要 |
本研究では、ヘリウム3冷凍機、小角散乱用圧力セル、偏極スピン解析装置を開発し、4T超伝導マグネットと組み合わせた多重極端条件下の中性子小角散乱実験環境を実現し、カイラル磁性体の磁気構造解析を行った。4f電子系新物質では、磁場誘起秩序相にて磁気スキルミオン格子の出現を観測、金属間化合物では、スキルミオン格子から創発磁気モノポール格子へ相転移する過程に出現する新たなトポロジカル磁気構造の発見、また、磁気スキルミオンの生成・消滅過程を約10 ms毎に観測することに成功するなど重要な成果を収めることができた。
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自由記述の分野 |
物性物理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、磁気スキルミオンの生成と過冷却状態形成の過程を明らかとした。また、金属間化合物では、元素置換による圧力効果で新たなトポロジカル磁気構造が形成されることを発見した。これまでトポロジカル磁気構造の形成にはDM相互作用が主要な役割を果たすと考えられてきたが、元素置換による圧力効果のみで磁気特性や磁気構造が劇的に変化することは、この常識では説明できない。それゆえ、伝導電子に媒介されるような別の磁気相互作用が、創発磁気モノポール格子の形成に重要である可能性を示した。本研究成果は、カイラル磁性体自身の基礎的な性質の理解と情報記憶媒体への応用の両面にとって、大きな役割を果たすと期待できる。
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