研究課題/領域番号 |
17H02816
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研究機関 | 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発 |
研究代表者 |
鈴木 淳市 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 主任研究員 (40354899)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 中性子 / 集光 / 磁束格子 |
研究実績の概要 |
中性子は物質透過能力等の優れた特長を持つ解析プローブである。しかし、ビーム強度は大強度施設といえども絶対的に不足しており、中性子の適用範囲に限界を与えている。これは中性子の幅広い利用を促進する上で克服すべき重要な課題である。この克服には優れた中性子光学技術が不可欠となる。我々は多極磁場(六極磁場等)が中性子の高精度かつ高効率な制御に極めて有効であることをこれまでの研究で見出した。そこで本研究では、超伝導体内に多極磁場による磁束格子を作り、中性子をこの格子で回折させることで、中性子ビームを強い集光力で集光する新手法を世界に先駆けて開拓することを目指している。前年度までに中性子ビームを集光するのに最適な磁束格子を超伝導体内に作る磁石と超伝導体のデザインを行い、超伝導体部分にニオブ単結晶(形状:円柱、直径12mmφ、方位:(100)、(110)、(111)//円柱軸)を磁石部分にフェライト磁石(形状:角形、断面:5mm×5mm)を使用した原理実証機を製作したが、この原理実証機を4Tesla横磁場マグネット内に設置するための試料ロッドの製作を行った。そして、J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)の中性子小角・広角散乱装置(TAIKAN)を利用して、原理実証機の集光性能の基礎データを白色パルス中性子について測定し、解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)の中性子小角・広角散乱装置(TAIKAN)を利用して、原理実証機の集光性能の基礎データを白色パルス中性子について測定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)の中性子小角・広角散乱装置(TAIKAN)を利用して、原理実証機の集光性能の超伝導体結晶方位依存性を評価する。さらに集光性能の向上のために超伝導体部分に育成したニオブ3スズ単結晶(形状:円柱、直径:3mmφ、長さ:2mm、方位:(111))を磁石部分にネオジム磁石を使用し、ニオブ3スズ単結晶の六極磁場内の位置も変えることのできる試験機を製作し、集光性能を評価する。
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