研究課題
高速クラスター2次イオン質量分析法の優位性を生かした高感度顕微質量分析を実現するために、(1)短パルス化技術の開発、(2)微小領域照射技術の開発、(3)最適照射条件の探索と2次イオン放出現象の解明、(4)ビーム制御の最適化、の各研究項目に関して以下の研究を行った。(1)短パルス化技術の開発:「(4)ビーム制御の最適化」、「(3)微小領域照射技術の開発」と協力することで、強度が安定したマイクロビームを用いたパルス化を実施し、微小領域での2次イオン質量分析を可能とした。(2)微小領域照射技術の開発:昨年度開発したイオンビームを集束させるための静電型四重極レンズ系、及び、集束させたビームを制御された電場により偏向させることで任意の位置に照射させるための特定位置照射システム系の設置・設定条件の最適化を、高エネルギーC60イオンビームを用いて行った。調整方法は、まず、電顕用メッシュを試料として、レンズ系で集束した高エネルギーC60イオンビームを特定位置照射システム系によりビーム走査しながら試料に照射した。さらに、試料から放出した2次イオンをマイクロチャネルプレートで検出し、特定位置照射システム系の制御信号と2次イオン検出信号を関連付けすることで放出される2次イオンを画像化し、その画像を解析する方法で行った。その結果、高エネルギーC60イオンビームを直径10μm以下(数μm程度)まで、集束することができた。(3)最適照射条件の探索と2次イオン放出現象の解明:1次イオン入射角度可変型2次イオン質量分析装置を用いて、2次イオンスペクトルの1次イオン入射角度依存性データを採取し、最適照射条件と2次イオン放出現象の解明を行うための基礎データを蓄積した。(4)ビーム制御の最適化:「(1)短パルス化技術の開発」と「(3)微小領域照射技術の開発」に協力し、微小領域での2次イオン質量分析を行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Applied Physics
巻: In press ページ: -
10.1063/5.0006152