研究課題
エクサ時代に適した電磁場問題の高速な数値解析技術確立を目的とし,高性能反復法,多階層領域分割法,多倍長精度計算,曲面細分割,データ圧縮の研究開発,及び個別化医療支援を目的とした応用数値実験を対象としている.平成29年度の実績は以下の通りである.(a) 電磁場解析向け高速・高安定な反復法の開発として,MINRES-QLP法に基づく新たな反復法の開発を行い,数値実験によって有効性評価を継続して行っている.また,Schur補元方程式に対する新たな前処理について基礎的検討を行った.新たな前処理の実装は次年度に実施予定である.(b) 電磁場解析向け多階層DDMの開発として,2階層HDDMの定式化を行い,数値実験によってその有効性を明らかにした.(c) 電磁場解析における多倍長精度計算有効性の解明として,double-double精度演算が複素対称線形方程式の収束性に与える影響を明らかにした.計算条件によっては倍精度演算よりも高速な場合がありうるなど,新たな知見が得られた.(d) 高可搬な大規模有限要素解析技術の開発として,OpenSubdivを用いたメッシュ細分割について調査した.高周波電磁界解析に十分な微分可能性を持つ材料境界メッシュを作成するために,継続して調査を進める必要があることが分かった.また,データ圧縮JHPCN-DFに基づくDDM圧縮技法について基礎的検討を完了した.また,他の研究課題(17H03256)と連携して,計算電磁気学の専門家を集めた研究シンポジウム「第1回大規模電磁界数値解析手法に関する研究シンポジウム」(2018/03/17-18,福岡)を主催し,本研究計画に関する情報収集および支援体制の強化に繋げることができた.
2: おおむね順調に進展している
研究実績の概要で述べた項目(a)~(d)はほぼ当初計画通りであり,さらに研究進捗報告を兼ねた研究シンポジウムを主催するなど,おおむね順調に進展していると言える.
おおむね順調に進展しているため,当初計画通りに研究遂行していく予定である.また,研究成果の応用可能性をみるために,電磁気学分野以外にも対象を拡大し,様々な線形方程式に対して数値実験を実施する予定である.
すべて 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (56件) (うち国際学会 14件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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