研究課題/領域番号 |
17H02829
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
荻野 正雄 大同大学, 情報学部, 准教授 (00380593)
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研究分担者 |
曽我部 知広 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30420368)
和田 義孝 近畿大学, 理工学部, 教授 (40350847)
杉本 振一郎 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40451794)
武居 周 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40598348)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 計算工学 / 計算電磁気学 / ハイパフォーマンス・コンピューティング / 有限要素法 / 線形方程式 |
研究実績の概要 |
エクサ時代に適した電磁場問題の高速な数値解析技術確立を目的とし,(a) 高性能反復法,(b) 多階層領域分割法,(c) 多倍長精度計算,(d) 曲面細分割,データ圧縮の研究開発,及び (e) 応用数値実験を研究対象としている.2019年度の実績は以下の通りである. (a) 電磁場解析向けの高性能反復法の開発を継続して行った.特に,Schur補元行列の逆行列表現による前処理法の検討,電磁場解析向けBDD法の性能評価を行った.(b) 多階層DDMの開発として,DDMソルバの再帰呼び出し構造の実装手法として,MPIの動的プロセス生成機能(Spawn版)とコミュニケータ分割機能(MPMD版)を開発し,性能評価を行った.(c) 多倍長精度演算が複素対称線形方程式の反復解法に与える影響評価を継続実施した.特に,IC(p)前処理と混合精度演算の組合せを評価し,倍精度数でも実用時間内に解けていた問題に対して,倍精度と倍々精度の混合精度演算によって計算時間を削減できることを示した.また,多倍長精度複素数演算の演算回数を削減する実装アルゴリズムについて検討を行った.(d) 重心ボロノイ分割に基づくメッシュ平滑化技術開発として,2次元有界領域に対する重心ボロノイ分割システムを開発し,粒子の等間隔配置が重要となる粒子法による流体解析の粒子初期配置として用いた数値実験を行うことで,その有用性を評価した.(e) 数値人体モデルに対して4面体要素細分割による1,300億自由度規模モデル生成に成功し,項目(a)で開発したシステムによる高周波電磁界計算を実施した.非構造格子を用いた電磁界の有限要素解析としては世界トップレベルの成果である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べた項目(a)~(e)はほぼ当初計画通りである.研究進捗報告を兼ねて2020年3月に開催予定であった研究シンポジウムは延期後に中止としたため,2020年7月に代表者・分担者によるオンライン研究会を開催し,研究計画や進捗状況の確認を行った.以上より,おおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進展しているため,当初計画通りに研究遂行していく予定である.また,研究成果の有用性をみるために,電磁気学分野以外への研究成果の応用についても検討していく.
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