研究課題/領域番号 |
17H02835
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
谷口 隆 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (60422391)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 数論的不変式論 / 概均質ベクトル空間 / 余正則空間 / 解析数論 |
研究実績の概要 |
Manjul Bhargava 氏(プリンストン大)、Frank Thorne 氏(南カロライナ大)との共同研究で、3次体の判別式を数える関数の漸近公式の誤差項について、更なる研究を進めた。局所条件をつけたときの一様評価について詳しく研究し、緻密な成果を得た。厳密な証明を構成するのは労力を要したが、最終的に見通しの良い証明を得たことで、より複雑な場合にも適用可能な方法になったと考えられる。現在、論文を執筆中である。また、4次体の場合の同様の問題についても研究を進めた。
平面4次曲線の双接線に関する共同研究を、石塚裕大氏(京都大)、伊藤哲史氏(京都大)、内田幸寛氏(首都大),大下達也氏(愛媛大)と行った。「双接線の存在条件が局所大域性を満たすか」という問題を考察し、一般には局所大域性を満たさないことを示すことができた。すなわち、有理数体上の平面4次曲線であって、有理数体上は双接線を持たないが,実数体上およびすべてのp進体上で双接線を持つものが存在することを示した。また、そのような平面4次曲線を具体的に計算するアルゴリズムを得た。この成果についても、現在、論文を執筆中である。
余正則空間に伴って定まる指数和についても、研究を継続している。 Frank Thorne 氏(南カロライナ大)、 Stanley Xiao 氏(トロント大)、伊藤哲史氏(京都大)、石塚裕大氏(京都大)との共同研究で、2元4次形式の空間の場合を中心として、幾つかの成果を得ている。引き続き研究を推進する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数論的不変式論に関する成果が、幾つかの側面から得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
余正則空間の指数和について、不変式論的な見地から、重点的に研究を進める。また、数論的不変式論の数論的な応用について、引き続き多面的に検討する。
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