研究実績の概要 |
David Lowry-Duda氏(ウォーリック数学研究所)と Frank Thorne氏(サウスカロライナ大)との共同で「Landauの定理の一様版」を研究していたが、関数等式の形によって、現れる特殊関数に技術的課題が生じる。関数論的な考察を組み合わせることで、この問題を解決した。論文を執筆中である。 Frank Thorne氏(サウスカロライナ大)とTheresa Anderson氏(パーデュー大)と共同で、概均質ベクトル空間や余正則空間の場合の近似篩について研究した。従来知られていた密度定理について、誤差項を改良できる可能性がある。来年度も研究を継続する。 有限体上で定義された概均質ベクトル空間(G,V)があるとき、軌道指数和が定まるが、簡約群Gの放物型部分群Bについて(B,V)が引き続き概均質ベクトル空間である場合に、軌道指数和がどう細分されるかを研究した。特に、2元2次形式のなす空間や、次数の小さい行列のなす空間など、次元の低い基本的ないくつかの概均質ベクトル空間について、指数和を具体的に計算した。興味深い現象が見出された。極小であるが最小でない部分群がある場合には、まだ調べるべきことがあると思われる。来年度も研究を継続する。 新型コロナウィルス感染症の影響で、研究出張が制限されたが、概均質ベクトル空間や整数論についてのオンラインの研究集会を三度開催し、情報収集に努めた。概均質ベクトル空間について最新の研究成果が発表されたほか、セメレディの定理の数論的応用について情報を得た。
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