3次体の判別式を数える関数の誤差項を改良する研究を、Manjul Bhargava 氏 (プリンストン大)、Frank Thorne 氏(南カロライナ大)と続けていたが、これが完了した。特に、局所条件をつけたときの誤差項の一様評価の証明について検討を重ねていたが、かなり簡明で見通しよいものにすることができた。今後の研究に示唆を与える方法になることが期待される。論文にして投稿した。 2次体の判別式を数える関数の研究の拡張として、等差数列中に含まれる無n乗な自然数の個数について研究を行い、部分的な成果を得た。解析的整数論における指数和の研究成果を適用することで、より強い定理が証明できる可能性がある。今後研究を継続する。 2元4次形式の空間について、石塚裕大氏(九州大)ほか数名と指数和を研究し、一般化についても検討した。また有理軌道がどれだけの整数軌道に分かれるかについての研究を開始した。概均質ベクトル空間の場合の計算方法が活用できることをが分かり、限られた場合であるが明示公式を得た。今後研究を継続する。 昨年に引き続き、群が簡約でない概均質ベクトル空間についての、軌道指数和の研究を進めた。特に行列の空間を研究した。軌道分解を、群論的・組み合わせ論的に記述した。これに基づき、次数が小さいいくつかの場合について、軌道指数和の明示公式を得た。 新型コロナウィルス感染症の影響で研究出張は制限されたが、『第2回概均質ベクトル空間ミニワークショップ』をオンラインで開催し、情報収集及び研究交流を行った。
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