研究実績の概要 |
結び目と素数の類似に基づき、3次元幾何学と数論の横断的研究-数論的位相幾何学-を行った。 本年度は下記の研究を行い、研究成果をあげた。 (1) Eisenstein数体の素イデアルたちに対し、mod 3 トリプルMilnor不変量およびトリプル立方剰余記号を導入した。これは、立方剰余記号とRedei記号の両者を一般化するものである。そのためにEisenstein数体上に分岐条件付き27次拡大を構成し、その数論を研究した。この研究は、天野郁也、水澤靖(名工大)との共同研究である。この成果について論文1編を著し、出版した。 (2) 昨年度行った伊原理論における数論的位相幾何学の研究に続いて、伊原理論におけるl進Milnor 不変量と多重べき剰余記号の関係について研究した。この成果を2017年8月、ドイツのオーバーボルファッハ研究所で招待講演し、論文1篇を著した。 (3) Deningerの3次元葉層力学系を分類し、各タイプの具体例を与えた。また、Hilbertの相互法則の3次元葉層力学系における類似を示した。そのために、Brylinskiのsmooth Deligne cohomologyおよび五味-寺嶋による高次元ホロノミー積分の理論を用いた。この研究は、ジュンヒョン キム, 野田健夫, 寺嶋郁二との共同研究である。この成果について、2017年4月オランダのライデン大学において、2018年4月ドイツのミュンスター大学で招待講演し、論文1編を準備中である。
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