研究分担者 |
志賀 啓成 京都産業大学, 理学部, 教授 (10154189)
高橋 淳也 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (10361156)
相川 弘明 中部大学, 工学部, 教授 (20137889)
柳原 宏 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (30200538)
船野 敬 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (40614144)
坂口 茂 東北大学, 情報科学研究科, 名誉教授 (50215620)
松崎 克彦 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80222298)
菊田 伸 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 准教授 (40736790)
金城 絵利那 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (40746559)
|
研究実績の概要 |
本年度の研究費については繰越を行ったため2021-2022年度の2年分の実績を含む. 本年度はVuorinen氏,Rainio氏(ともにTurku大学,フィンランド)と共同で,平面領域の場合に双曲計量から定まる領域定数を新たに定義し,その性質を詳細に調べた.その領域定数が正であることが領域の境界が一様完全であることと同値であり,すべての領域のうちでその領域定数が最大となるのは領域が凸であることなどを示した.これらはMinda, Mejia, Harmelinらによって知られていた別の領域定数に関する結果の類似となっており,非常に興味深いものである.また,同じ研究グループでその後も(一般次元の)領域の境界の一様完全性を特徴づけるような性質について詳細に調べ,現在は論文の投稿準備中である. また,複素平面における単位円板上の複素数値調和函数(単葉調和函数)に関する研究も行った.Bo-Yong Long氏,Qi-Han Wang氏(ともに安徽大学,中国)と完全単調数列を係数に持つような単葉調和函数の擬等角拡張性やアダマール積に関する幾何的な性質などを調べたほか,Xiu-Shuang Ma氏(須川研大学院生,当時),Ponnusamy氏(インド工科大マドラス校)との共同研究で,像が螺旋状や強星状となるための複素数値調和函数に対する解析的な必要十分条件を求めた.その解析的な条件は実際には確認困難なものであったので,十分条件を係数に関する確認が容易な不等式によって与えた. このほか,Schleissinger氏(Wurzburg,ドイツ),堀田氏(山口大)と平面内の凸領域上の正則函数からなる半群に対する非線形レゾルベントの研究を行い,特にその存在・非存在をわける鍵となる状況について深い考察を行った.
|