研究課題
本研究の目的は,海洋における大振幅波動の本質(非線形性と分散性)をとらえた数理モデルを導出し,その数理解析を行うことである.令和3年度(最終年度)は以下の三つのテーマについて研究を実施した.研究成果は,発表論文6件(査読有5件,国際共著4件),学会発表21件(招待講演2件,国際講演6件)で公表されている.研究の概要は以下の通りである.1. 数学モデル:(1)水面上に浮体がある場合の浅水波モデルの適切性を示した(井口).(2)航跡波(一定速度で動く波源から放射される定常波)の定式化と数値計算を行い,非線形性が強いことを明らかにした(片岡).(3)KP方程式の曲線波ソリトンの高次解を導出し,直線波ソリトンとの相互作用を調べた(太田).(5)KP方程式の2重線ソリトンの安定性を明らかにした(水町).2. 内部波:密度の異なる2層流体の界面波の線形安定性を複素解析の手法を用いて数値的に調べ,Kelvin-Helmholtz タイプの不安定性が支配的であることを示した(村重).3. 大振幅・非線形波動の数値計算:(1)鉛直方向に流速が変化するシアー流上で発生する parasitic capillary waves(進行波の前面で発生する波長の短い表面張力波)の特徴を数値計算で明らかにした(村重).(2)表面波・内部波共存場の孤立波の特徴を,磯部・柿沼モデルの数値計算を用いて示した(柿沼).(3)津波(地すべり津波,河川を遡上する津波,浅瀬が存在する島嶼に入射する津波)の大振幅・非定常運動の特徴を数値計算で示した(柿沼).(4)自己適合移動格子(急激に波形が変化する領域で格子間隔を自動的に調節する方法)の一般化(境界条件,時空間変数の全離散化)を行った(丸野).(5)前進する船の先端付近で発生する砕波の特徴を,Navier-Stokes 方程式の直接計算により明らかにした(日野).
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
一つ目は,本研究のメンバーが主催しているオンラインセミナーのwebページである.当初予定していた国際研究集会がコロナウィルスの感染拡大のために開催できなかったので,2021年の7月からオンラインセミナーを月一回行っている.
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
Journal of Fluid Mechanics
巻: 938 ページ: A13
10.1017/jfm.2022.145
Journal of Marine Science and Engineering
巻: 9 ページ: 1217~1217
10.3390/jmse9111217
Indiana University Mathematics Journal
巻: 70 ページ: 353~464
10.1512/iumj.2021.70.8201
Coastal Engineering Journal
巻: 63 ページ: 1~13
10.1080/21664250.2021.2015199
Journal of Disaster Research
巻: 16 ページ: 994~1004
10.20965/jdr.2021.p0994
津波工学研究報告
巻: 38 ページ: 95~102
http://murasige.sci.ibaraki.ac.jp/Nonlinear_water_waves_online_seminar.html
http://murasige.sci.ibaraki.ac.jp/KAKEN_meeting_online_2022_SJIS.html