| 研究課題/領域番号 |
17H02860
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
山田 道夫 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90166736)
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| 研究分担者 |
竹広 真一 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (30274426)
米田 剛 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (30619086)
横山 直人 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (80512730) [辞退]
小布施 祈織 岡山大学, 環境生命科学研究科, 特任助教 (90633967)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 流体 / ロスビー波 |
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| 研究実績の概要 |
回転球面上非圧縮性2次元流体において流れ場を支配するロスビー波を, 共鳴モード・非共鳴モード・zonalモード・非zonalモードの組み合わせで4つのグループに分け, それらエネルギー時間変化とグループ間での相互作用(エネルギーのやり取り)を調べた。また, 2モード間エネルギー輸送の定義と計算も行い, 共鳴モードと非共鳴モードの相互作用の強さを調べた。これらの結果, 非共鳴相互作用による非共鳴モードから共鳴zonalモードへのエネルギー輸送が流れ場の時間発展を大きく決めていることが明らかになった。さらに波動による帯状流形成の典型的な例として、木星型惑星大気の縞状構造の成因に関連した高速に回転する薄い球殻中の熱対流の大規模数値計算を行い,中高緯度に出現する縞状構造の生成消滅過程を吟味した. またガス惑星および恒星大気の流体運動の基本的なモデルである回転球殻中の熱対流と平均帯状流生成問題についての研究の歴史と最先端の課題を調査した。回転乱流や成層乱流などの非等方乱流において，エネルギー輸送の局所性と効率性を仮定し，一般化逆行列を用いたエネルギーフラックスベクトルの同定法を検討し、これを回転乱流に適用して慣性波乱流の弱乱流理論が予測するエネルギーフラックスを得た．さらに大スケールの渦が生成する歪み速度場が、小スケールの渦を瞬間的に伸長させる非圧縮オイラー方程式の解の列を構成し、そこからエネルギーカスケードについて洞察した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
回転球面上の非圧縮性流体の流れ場について、非線型相互作用を行うロスビー波を４つのグループに分類しそれらの間の相互作用を数値的に調べ、この系における共鳴相互作用と非共鳴相互作用の特徴について知見が得られている。特に非共鳴相互作用の役割について、非共鳴相互作用でありながら共鳴相互作用の性格を伴うものがあることが分かるなど、順調な進展が見られた。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後はさらに系の時間発展における非共鳴相互作用の役割について調べ、理論や数値実験などを用いた解析を進める予定である。特に共鳴／非共鳴相互作用自体は粘性効果を含まないことから、非粘性系における帯状流形成の過程を調べる。従来から、帯状流形成の説明の一つとして粘性臨海層を通して行われる角運動量輸送を重視するものがあるが、本研究で得られてきた結果は、非粘性の場合についても帯状流が形成されることを示唆しており、この予想が成り立つかどうかを、詳細な数値計算および理論解析によって明らかにすることを目指す。
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