本研究では、MOA(Microlensing Observations in Astrophysics)プロジェクトとして進めている、口径1.8mの専用光学望遠鏡を用いた重力マイクロレンズ法による太陽系外惑星探索を4年間継続し、研究期間内に新たに約30個の惑星を発見するとともに、口径8.2mのすばる望遠鏡や口径10mのKeck望遠鏡などの大口径型望遠鏡および補償光学装置を用いた主星光の観測も並行して進め、惑星の形成現場である雪線以遠の惑星の質量分布を詳細に描き出すことを目指している。
2020年度は、新型コロナ感染症の世界的蔓延によりニュージーランドへの渡航が出来なくなったため、当初の計画通りに観測を遂行することが困難となった。そのため、研究費の繰越を2度行い、2022年度まで研究を継続した。この間、現地の観測者に観測を実施してもらうとともに、遠隔観測環境の整備を行い、国内から遠隔観測を行えるようにした。その結果、2020年度から2022年度にかけて合計で新たに約30個の惑星候補イベントを発見することができた。また、国際協力により解析と論文化を進め、関連研究を含めて合計で43編の査読論文を出版することができた。
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