研究課題
放球実験に供するゴンドラシステムのうち、改修をおこなった気密容器/電源BOX/撚り戻し機構部について、宇宙科学研究所相模原キャンパスにおいて、熱真空試験をおこない、想定される成層圏高度での環境に適合することが確認できた。次に、ゴンドラシステムへの電気的な統合作業をおこない、動作の確認ができた。続いて、総合組立をおこない、動作試験の項目に総てパスした。 また、地上環境ではあるが、模擬運用を含めた総合実験をおこなった。一方で、同時に観測する地上VLBI局 (電波望遠鏡) 群をコーディネートし、観測運用試験を繰り返し、観測運用の信頼性を向上させた。 実験システム全体の全機能の正常を確認できたため、ゴンドラシステムを6月末にJAXA大樹航空宇宙実験場(放球場)へ輸送した。 放球場にて、ふたたび総合組立・動作試験をおこない、地上VLBI局群とのVLBI最終確認観測をおこない、ふたたび全システムの正常を確認することができた。実験場設備との電気・通信・機械かみ合わせ試験も正常に完了した。放球に適した気象条件を待つ体勢に入った。7/24未明、放球実験のチャンスが到来し、放球直前の段階まで準備が進んだ。しかしながら、地上風の条件が不適合となり、実験場運営側の判断により、放球が中止され、今季の実施は見送りとなった。実験中断後、放球台からゴンドラシステムを回収した。我々の実験システムの機能はすべて維持しており、来年度以降の実験の機会を獲得するべく、実験の再提案することとなった。
3: やや遅れている
実験システムの開発や、現地での実験の準備は計画通りに推移した。しかしながら、気象条件の急変があり、実験場運営側の判断により、今季の実験の実施は見送られた。放球実験は来年度に延期となった。
放球実験は気象条件の急変により、実験が実施されなかったため、次年度に延期して実験がおこなえるよう、ふたたび実験提案をおこなう。実験場設備との適合も含めて完成したゴンドラシステムについて、次年度5月に再び総合組立・総合試験をおこなう。 また、同時に観測する地上VLBI局群をコーディネートし、観測運用試験をふたたび実施する。 5月末にJAXA大樹航空宇宙実験場(放球場)へ輸送する。 放球場にて、総合組立・動作試験をおこない、地上局群とのVLBI最終確認観測をふたたびおこなう。また、放球場現地にもちこんだ1.5m電波望遠鏡との間で、基線長がほぼゼロのVLBI観測をおこなうことで、成層圏と同様の大気揺らぎのない状態での模擬的なVLBI観測のデータを取得し、上空での観測結果と比較するために備える。6月中旬から7月下旬に放球をおこなう計画とする。 フライト実験後は、回収したVLBI実験データを分析し、フライト時の搭載機器センサ群との振る舞いと比較する計画とする。
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航空宇宙技術
巻: 15 ページ: 91-100
doi:10.2322/astj.15.91