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2017 年度 実績報告書

成層圏における電波干渉計フライト実証試験の再挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 17H02874
研究機関国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

土居 明広  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (90403641)

研究分担者 河野 裕介  国立天文台, 水沢VLBI観測所, 助教 (00370106)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード宇宙工学 / 気球 / 干渉計 / 飛翔体 / 電波天文学 / VLBI
研究実績の概要

放球実験に供するゴンドラシステムのうち、改修をおこなった気密容器/電源BOX/撚り戻し機構部について、宇宙科学研究所相模原キャンパスにおいて、熱真空試験をおこない、想定される成層圏高度での環境に適合することが確認できた。次に、ゴンドラシステムへの電気的な統合作業をおこない、動作の確認ができた。続いて、総合組立をおこない、動作試験の項目に総てパスした。 また、地上環境ではあるが、模擬運用を含めた総合実験をおこなった。一方で、同時に観測する地上VLBI局 (電波望遠鏡) 群をコーディネートし、観測運用試験を繰り返し、観測運用の信頼性を向上させた。 実験システム全体の全機能の正常を確認できたため、ゴンドラシステムを6月末にJAXA大樹航空宇宙実験場(放球場)へ輸送した。 放球場にて、ふたたび総合組立・動作試験をおこない、地上VLBI局群とのVLBI最終確認観測をおこない、ふたたび全システムの正常を確認することができた。
実験場設備との電気・通信・機械かみ合わせ試験も正常に完了した。放球に適した気象条件を待つ体勢に入った。7/24未明、放球実験のチャンスが到来し、放球直前の段階まで準備が進んだ。しかしながら、地上風の条件が不適合となり、実験場運営側の判断により、放球が中止され、今季の実施は見送りとなった。
実験中断後、放球台からゴンドラシステムを回収した。我々の実験システムの機能はすべて維持しており、来年度以降の実験の機会を獲得するべく、実験の再提案することとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験システムの開発や、現地での実験の準備は計画通りに推移した。しかしながら、気象条件の急変があり、実験場運営側の判断により、今季の実験の実施は見送られた。放球実験は来年度に延期となった。

今後の研究の推進方策

放球実験は気象条件の急変により、実験が実施されなかったため、次年度に延期して実験がおこなえるよう、ふたたび実験提案をおこなう。
実験場設備との適合も含めて完成したゴンドラシステムについて、次年度5月に再び総合組立・総合試験をおこなう。 また、同時に観測する地上VLBI局群をコーディネートし、観測運用試験をふたたび実施する。 5月末にJAXA大樹航空宇宙実験場(放球場)へ輸送する。 放球場にて、総合組立・動作試験をおこない、地上局群とのVLBI最終確認観測をふたたびおこなう。また、放球場現地にもちこんだ1.5m電波望遠鏡との間で、基線長がほぼゼロのVLBI観測をおこなうことで、成層圏と同様の大気揺らぎのない状態での模擬的なVLBI観測のデータを取得し、上空での観測結果と比較するために備える。
6月中旬から7月下旬に放球をおこなう計画とする。 フライト実験後は、回収したVLBI実験データを分析し、フライト時の搭載機器センサ群との振る舞いと比較する計画とする。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] 多目的最適設計法を利用した気球VLBIにおける副鏡調整機構の故障を考慮した主鏡面構造設計2017

    • 著者名/発表者名
      小木曽 望、児玉 崚、 木村 公洋、佐藤 泰貴、 土居 明広、 田中 宏明
    • 雑誌名

      航空宇宙技術

      巻: 15 ページ: 91-100

    • DOI

      doi:10.2322/astj.15.91

    • 査読あり
  • [学会発表] 気球VLBI地上振り子フリンジ試験2018

    • 著者名/発表者名
      河野 裕介, 土居 明広, 木村 公洋, 小山 友明, 中原 聡美, 馬場 満久, 鈴木 駿策, 保田 大介, 岡田 望, 長谷川 豊, 亀谷 收, 米倉 覚則, 関戸 衛, 村田 泰宏, 山下 一芳, 松本 尚子
    • 学会等名
      第18回宇宙科学シンポジウム
  • [学会発表] 気球VLBIシステムとその開発2018

    • 著者名/発表者名
      土居 明広, 河野 裕介, 木村 公洋, 中原 聡美, 保田 大介, 長谷川 豊, 岡田 望, 村田 泰宏, 鈴木 駿策, 小山 友明, 下向 怜歩, 小川 英夫, 海老沢 研, 本間 希樹, 真鍋 武嗣, 米倉 覚則, 関戸 衛, 亀谷 收
    • 学会等名
      第18回宇宙科学シンポジウム
  • [学会発表] 気球 VLBI 地上振り子試験2018

    • 著者名/発表者名
      河野裕介, 土居明広, 木村公洋, 小山友明, 中原聡美, 鈴木駿策, 保田大輔, 岡田望, 長谷川豊, 亀谷收, 米倉覚則, 関戸衛, 村田泰弘, 山下一芳, 松本尚子, 本間希樹
    • 学会等名
      日本天文学会, 日本天文学会2018年春季年会
  • [学会発表] 気球 VLBI の姿勢制御地上試験2018

    • 著者名/発表者名
      土居明広, 河野裕介, 中原聡美, 木村公洋, 鈴木駿策, 岡田望, 保田大介, 長谷川豊, 山下一芳, 佐藤泰貴, 馬場満久, 松本尚子
    • 学会等名
      日本天文学会, 日本天文学会2018年春季年会
  • [学会発表] 気球VLBI実験2017の報告と来年度の計画2017

    • 著者名/発表者名
      土居 明広
    • 学会等名
      第15回水沢VLBI観測所ユーザーズミーティング
  • [学会発表] 気球VLBI2017実験の報告と来年度実験の計画2017

    • 著者名/発表者名
      土居 明広
    • 学会等名
      2017年度VLBI懇談会シンポジウム
  • [学会発表] 高萩32mと成層圏VLBI局による気球VLBI実験2017

    • 著者名/発表者名
      土居 明広
    • 学会等名
      茨城大学重点研究 研究会「高萩・日立32m電波望遠鏡によるサイエンス」
  • [学会発表] 大阪府大 1.8 m 電波望遠鏡の K 帯給電系開発と気球 VLBI 実験2017

    • 著者名/発表者名
      保田大介,岡田望,木村公洋,小川英夫,真鍋武嗣,土居明広,長谷川豊,村田泰宏,中原聡美,河野裕介,小山友明,亀谷收,鈴木駿策,米倉覚則,関戸衛
    • 学会等名
      日本天文学会, 日本天文学会2017年秋季年会

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公開日: 2019-12-27  

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