2015年に米国LIGO望遠鏡が初観測に成功して以来、50例に及ぶ重力波の観測が報告されている。そのうち数例が中性子星連星の公転運動がもたらす重力波であると考えられている。中性子星連星は、合体時に4-5kHzのバースト信号を生むと考えられているが、現行の望遠鏡はその帯域の感度が悪いため、鮮明な観測は不可能である。本研究では、望遠鏡に非線形光学素子を組み込み、オプトメカ結合を増強することで、4-5kHzの感度を大幅に向上する技術を開発している。4年の研究期間内に、信号リサイクル干渉計と光共振器実験を構築し、信号増幅の検証と伝達関数測定によるオプトメカ結合の観測に成功した。
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