2022 年度研究成果報告書

一般相対論を超える重力理論と宇宙論

研究課題

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研究課題/領域番号	17H02890
研究種目	基盤研究(B)
配分区分	補助金
応募区分	一般
研究分野	素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
研究機関	京都大学
研究代表者	向山信治京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (40396809)
研究期間 (年度)	2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード	宇宙物理 / 天文学
研究成果の概要	宇宙の謎への挑戦を通じて重力の本質に迫り、一般相対論を超える重力理論の構築を目標として一般的な理論的枠組みを構築した。具体的には、スカラー場の微分が時間的な背景におけるScalar-tensor理論を記述する有効場の理論を、平坦な時空や一様等方宇宙だけでなく、任意の背景に拡張することに世界で初めて成功した。また、一様等方宇宙において全てのvector-tensor理論を普遍的に記述できる有効場の理論を構成することにも世界で初めて成功した。さらに、あらゆる致命的な不安定性を排除したbigravity理論、minimal theory of bigravity (MTBG)を世界で初めて発見した。
自由記述の分野	重力理論と宇宙論
研究成果の学術的意義や社会的意義	本研究において世界で初めて構築した２つの有効場の理論は、重力波の観測と宇宙論スケールの観測と、重力理論をつなぐ架け橋の役割を果たすと期待される。特に、様々なダークエネルギー理論を観測から制限するのに有用と考えられる。また、MTBGは、初期宇宙を含めた様々な状況に適用可能で、重力子の質量項がダークエネルギーの代わりになって宇宙膨張を加速させることもできるので、重力波観測によってmassive gravityをテストする理論的土台を与えるだけでなく、ダークエネルギーの謎を解くためのヒントにもなる可能性がある。