本研究では、非クラマース・プラセオジム3価イオンを含むカゴ状化合物PrTi2Al20について詳細はアルミサイトのNMR測定や磁化・比熱測定を行い、磁場に対して異方的な強四極子秩序相図を決定した。特に[001]および[110]方向の磁場下では2テスラ程度の弱磁場によって四極子秩序変数が不連続にスイッチする相転移を発見し、ゼーマン相互作用と四極子間相互作用の競合を仮定したランダウ現象論やモデル計算によって、その物理的機構を提案した。また二重ペロブスカイト化合物Ba2RMgReO6に対する酸素サイトNMRによって、5d電子系の多極子秩序変数を決定するために必要な微視的データを得た。
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