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2021 年度 研究成果報告書

軌道自由度が活性な強相関系における新奇量子凝縮状態の研究

研究課題

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研究課題/領域番号 17H02920
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 物性Ⅱ
研究機関大阪大学 (2018-2021)
東京工業大学 (2017)

研究代表者

井澤 公一  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90302637)

研究分担者 細井 優  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00824111)
町田 洋  東京工業大学, 理学院, 助教 (40514740)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード強相関電子系 / 多極子
研究成果の概要

多極子自由度が活性なPr系化合物における多重極限下での輸送係数の結果をもとに温度-磁場相図を構築した.その結果,PrRh2Zn20では,四極子近藤効果に由来する非フェルミ液体状態を含む,多極子自由度によりもたらされた4つの特異な電子状態が存在することが明らかになった.これに対し,混成の弱いPrT2Cd20(T=Rh,Pt)では,明確な四極子秩序は見られないが,非フェルミ液体状態は存在することが明らかとなった.この混成の違いによる相図の変化は,多極子由来の特異な電子状態の理解に,希土類化合物の電子状態を広く説明してきた従来のドニアック描像とは異なる考え方が必要であることを強く示唆している.

自由記述の分野

低温物理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

f電子を持つ希土類化合物やアクチノイド化合物で見られる磁気秩序や非フェルミ液体的挙動,非従来型超伝導といった物性物理学における極めて重要な現象の多くは,f電子のスピン自由度に由来し,ドニアック描像で概ね理解されてきた.それに対し,本研究で得られた系統的な結果が,ドニアック描像の予想とは異なることが示されたことにより,四極子自由度による物理を考える場合には,すでに標準的な考え方として浸透しているドニアック描像とは別の考え方が必要であることを強く示唆している.このことは,f電子系で見られる特異な現象の統一的理解だけでなく新奇物性の開拓にも重要な情報を与え,当該分野の進展への貢献が期待される.

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公開日: 2023-01-30  

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