研究課題/領域番号 |
17H02923
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
岸根 順一郎 放送大学, 教養学部, 教授 (80290906)
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研究分担者 |
戸川 欣彦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00415241)
加藤 雄介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20261547)
松浦 弘泰 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40596607)
福島 孝治 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80282606)
多々良 源 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, チームリーダー (10271529)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | カイラリティ / 電子 / スピン / 弾性 / 対称性 / 量子論 / 応答 |
研究成果の概要 |
代表者は2005年頃よりカイラル結晶特有の磁性現象に取り組み、カイラル物質中で電子スピンのダイナミクスがカイラル環境下で示す非対称・非局所・非線形・非相反現象を明らかにしてきた。磁性研究は2016年頃までにほぼまとめ、光と弾性の研究に移った。2017年には、カイラル物質中を伝搬する電磁波が特有の保存量を運ぶことを示した。この保存量は電場と磁場の空間微分を含み、空間反転で符号を変える擬スカラー量である。真空電磁波についてはZilchとして知られていたが、これをカイラル媒質中の光に拡張した。そして2020、宿願であったカイラル結晶特有のフォノン(カイラルフォノン)の理論を完成させた。
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自由記述の分野 |
理論物理学(物質機能の量子論)
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
右手と左手は,互いに鏡映しの関係にあるが互いに重ならない.この形態をカイラリティという.らせん階段はカイラリティの身近な例である.ミクロな世界の分子や結晶内部の原子の並び方もカイラルな構造を持つことがある.不思議なことに,カイラルな物質は光や電場,磁場,さらに弾性的な歪に対して特徴的な応答と機能を示す.こうした「カイラル応答」の研究の源流は19世紀前半に遡るが,量子論に基づく統一的な理解の試みは比較的最近始まったばかりである.代表者(岸根)らは,過去15年ほどこの方向の研究に携わってきた.今回の大きな研究成果として,光・電気磁気・弾性という結晶が示す三大応答のつながりを理論的に明らかにした.
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