地震発生帯の上限で起きている地震活動の詳細を調べるために,2016年熊本地震が発生した布田川断層帯を中心に超高密度な地震観測網を設置して約50日間の地震波形データを取得した。データを解析した結果,布田川断層帯の傾斜方向と整合的な北西方向に高角度で傾斜する震源分布が得られた。また,断層帯直下の深さ2 km以浅の地表付近において,顕著な地震活動は起きていないことも分かった。さらに,浅い地震のマグニチュードが深いものに比べて小さくなる特徴が見られ,摩擦特性の深さ方向の遷移を反映している可能性が考えられる。
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