研究課題
本研究計画では,日本海溝沿いの沿岸部を対象として,以下の4段階の手順により調査研究に取り組む.①津波で堆積物が形成され,かつ高潮・高波では土砂堆積が起きないと考えられる地域を数値計算により事前探索し,地中レーダで地下構造を確認したうえで調査地点を決定する,②粒度・珪藻等の諸分析に加え,高潮・高波計算に基づき土砂分布限界を推定し,それを大幅に超えて分布する堆積物を津波堆積物として定量的に認定する,③高解像度放射性炭素年代測定を実施し,ベイズ理論を用いて統計的に優位な広域年代対比を行う,④津波土砂移動計算を行い波源及び沿岸部での津波浸水範囲・浸水高を推定する.本年度は,昨年度までに採取済みの日本海溝沿い各地の試料等を用いて各種分析を行うことで津波堆積物認定を行い,さらに放射性炭素年代測定により形成年代の推定を行った.また,津波数値計算により津波堆積物の数値的認定を行うとともに,津波規模を行った.また,最終年度でもあり,これまでの研究の取りまとめも行った.まず,千葉県銚子市で行った調査結果に基づき,日本海溝南部における過去約3000年間の古津波履歴について査読付き国際原著論文として取りまとめた.また,2021年東北地方太平洋沖地震津波から10周年を迎えるにあたり,地質学的研究を踏まえた津波防災のあり方について,査読付き国際総説論文として取りまとめ出版した.青森県八戸市で行った古津波調査の結果についても,取りまとめを行っている.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Earth-Science Reviews
巻: 212 ページ: 103417
10.1016/j.earscirev.2020.103417
Progress in Earth and Planetary Science
巻: 8 ページ: 28
10.1186/s40645-021-00415-w