研究分担者 |
横山 祐典 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10359648)
豊福 高志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭技術開発プログラム), 主任研究員 (30371719)
宮入 陽介 東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (30451800) [辞退]
原田 賢治 静岡大学, 防災総合センター, 准教授 (40378922)
菅原 大助 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 教授 (50436078)
山田 和芳 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 教授 (60508167)
佐藤 善輝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (60751071)
三井 雄太 静岡大学, 理学部, 講師 (80717950)
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研究実績の概要 |
静岡県沿岸には,「レベル2地震・津波」と「レベル1(歴史地震・津波)」の中間規模(レベル1.5)の地震・津波の記録が2つある.1つは古文書にある1498年明応東海地震で焼津で起きた「レベル1地震と海底地滑りの連動」で,もう1つは御前崎の完新世段丘の示す「レベル1地震と分岐断層の活動の連動」である.当該年度は前者の実態解明のため,焼津市で掘削したコア試料の堆積相解析を行った.この堆積相解析の適用に,干潟堆積物の識別方法の確立が必要だったので,神奈川県三浦市の江奈湾で干潟堆積物を調査した.その結果,堆積相解析,C/S比,炭酸塩含有量,底生有孔虫群集を組み合わせて,潮上帯・潮間帯の堆積物や洪水堆積物・高潮堆積物の識別基準を確立した.これらの成果を2編の国際誌Estuarine, Coastal and Shelf Science. 226, 106256とMarine Geology (in press)に公表した. 後者の御前崎の完新世段丘に関しては,そこの海食台で発見した隆起二枚貝化石の年代測定から1361年正平(康安)東海地震で地震性隆起が起きたことを明らかにした.これにより,1854年安政東海地震と同様の駿河トラフの破壊を伴う海溝型地震(以後,安政型地震)の発生間隔が500年に及ぶ可能性が出てきた.そこで,地震発生間隔の解明のため,静岡市清水区海長寺の地下の地層記録から堆積環境を復元し,安政型地震の履歴を検討した.同地に着目したのは1011年から現在地(標高4mの浜堤)にあることが分かっているからだ.調査の結果,西暦400年頃に安政型地震の発生を示す地質学的証拠を検出し,国際誌Progress in Earth and Planetary Science. https://doi.org/10.1186/s40645-019-0305-yに公表した.
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