研究課題
眠江上流の黒水河のスレートと砂岩・泥岩互層地域において、遷急点の上流への遡及によって、岩盤斜面が面構造と河谷との関係によって異なる重力斜面変形を生じていることを明らかにした.PALSAR-2データから生成した中国・四川省新磨村地すべりにおける干渉画像から、地すべり発生後も地すべり性地表変動が継続していることが明らかになった.ネパールヒマラヤのカリガンダキ川流域において,地形に大きな変化を生じた巨大な崩壊が事前に地層の座屈を伴っていたことと,その変形が地形に現れていたであろうことが明らかになった.また、氷食谷を下流から河谷が遷急点の後退によって侵食し、河谷の流れ盤側斜面では緩慢な重力斜面変形が生じ、河谷の受け盤側斜面では曲げトップリングによる重力斜面変形と岩石なだれが発生したことが明らかになった.台湾中央山脈のスレート地域において、スレート劈開の流れ盤斜面では座屈変形が、また、受け盤斜面では曲げトップリング変形が一般的に生じていることを明らかにした.また、曲げトップリングの斜面脚部が侵食されることによって斜面崩壊が継続的に発生することも明らかになった.紀伊山地において,60平方kmの広い範囲にわたって詳細地質調査を行い、大規模な重力斜面変形の多くが流れ盤をなす衝上断層の上に発生していることを明らかにした.そして、それらの形成が3万年から5万年前に始まったことが明らかになった.中部地方の瀬戸川帯のスレート分布地域において詳細地質調査と詳細地形データを用いた地形分析を行った.その結果、典型的な重力変形地形である山向き小崖が、スレートの曲げトップリングによって形成されるのは、スレートが高角断層を伴う場合であることが明らかになった.
2: おおむね順調に進展している
研究地域として選択した中国眠山山地、ネパールヒマラヤ、台湾中央山脈、および日本の西南日本の外帯において、国内の研究分担者、海外の研究協力者、学生などの協力を得て、スムーズに研究を推進できた.特に障害はなかった.
中国眠山山地、ネパールヒマラヤ、台湾中央山脈、日本の西南日本の外帯および関東山地への外帯の延長部において、研究を進める.その際、今までの研究を継続するとともに、研究成果を取りまとめて、学会発表および学術誌への投稿を行う.
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)
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doi: 10.1111/iar.12245
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