研究課題
2019年度は研究目的に沿った4つのサブテーマを行い,それらを総合的に考察した.サブテーマ1.5月に45.5mm/日の降雨が起り,その動態について湖口付近で時系列観測を行った。最大降雨時から約9時間後に高濁度を示し,26時間後には通常に近い濁度を示した。その間の粒度変化は,高濁度初期は粗粒シルトの平均粒径を示していたが,3時間後には極細粒シルト変化した.これらは年縞堆積物の分析結果とも整合的で藻琴湖における年縞堆積物の形成過程を定量的に示せたと考えている.サブテーマ2. 18Mk-8Cコアおよび20m級のボーリングの分析を行なった.09Mk-1Cコアと年レベルで対応させ,古環境解析を行なった.サブテーマ3.網走湖において複数年でショートコアを採取し,それらの観察・分析結果から年縞堆積物の特徴や年縞年代,それによる環境変化について明らかにした.網走湖の年縞堆積物は,見かけの密度とTOC濃度に負の相関があり,TOC濃度の変化が相対的に密度の高い無機砕屑物による希釈の度合いによって起ることに起因している.網走湖の堆積物には流域の環境変化や降水量の変化に影響されていることを示されている.特に降水量の変化は堆積物フラックスや軟X線透過レベルに影響し,それを解析することによって過去の降水量の変化を復元できる.サブテーマ4.これらのコアを解析した各データについて一括的な周期解析等を行ったが,全体としては明瞭な周期は出ていない.集中的な個別の解析では11年周期や北極振動や太平洋十年規模振動のような周期性気候変動が認識されている.今後時間をかけて個別の集中的な解析を行う予定である.これらで得られた成果は,日本地質学会,INQUA2019,16thEEIW,AGU Fall Meetingや汽水域研究会等のスペシャルセッションで発表を行なうとともに,一部が学術詩に掲載された.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 6件) 図書 (3件)
Estuarine, Coastal and Shelf Science
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