研究課題
南極大陸に産する太古代~原生代の火成岩・変成岩試料の基礎解析をおこなった。また、本邦の伊豆-小笠原弧と伊豆衝突帯に産する新生代の島弧火成岩類試料の基礎解析をおこなった。それらの試料を用いてジルコン結晶のU-Pb系、酸素同位体、希土類元素を含む微量元素同位体分析を予察的にすすめた。しかし、装置の故障等により予定通りの進展がはかれなかった。南極大陸の試料解析には、特任教授(廣井)を雇用してすすめた。平行して、父島・西ノ島・南鳥島沖海域の海洋地質調査、宇奈月・飛騨地域の古生代~中生代の火成岩・変成岩類調査をおこない、解析用の試料を採取した。また、予察データを日本地球惑星科学連合大会(JpGU2018)、地球化学会(琉球大)において発表した。研究遂行の基幹となる二次イオン質量分析が、機器の故障や予測していたよりも分析精度が上がらなかったために、研究計画の見直しが必要となった。特に本研究課題の核心部である酸素同位体分析および軽元素分析に関して、十分な質量分解能と二次イオン透過率を得ることができず、議論に耐え得るデータの確度・精度を得ることができなかった。静電場アナライザーの真空を向上させ、残留分子イオンの衝突による二次イオンの減少・エネルギー低下を避けることで、分析確度・精度を改善できると判断した。2018年度予算を一部翌年度に繰り越して、2019年度に二次イオン質量分析計の真空系の改修を実施し、必要な分析精度・確度を得るための調整をおこなった。しが必要となった。
4: 遅れている
研究遂行の基幹となる二次イオン質量分析が、機器の故障や予測していたよりも分析精度が上がらなかったために、研究計画の見直しが必要となった。
研究遂行の基幹となる二次イオン質量分析の不調により、研究に遅れが生じた。2018年度予算を一部繰り越したため、2019年度の計画に食い込む形で機器の調整や分析の準備をすすめた。2020年度には、特に、南極大陸に産する太古代~原生代の火成岩・変成岩試料を用いて、U-Pb年代測定、希土類元素分析、微量元素存在度分析、高精度酸素同位体分析をおこない、データ、及び、分析条件等を検証する。また、ジルコンの酸素同位体組成を検証する上で、ソースメルトへの水や風化作用生成物の関与の指標としてジルコン中のリチウム含有量および同位体組成が重要な情報となる可能性があり、リチウム含有量・同位体分析手法の開発を行う。酸素-リチウム同位体分析データによるフィルタリングによって厳選した試料・部位を対象として、Hf同位体分析、ならびに表面電離型質量分析計を用いたジルコンのNd同位体分析を実施する。Nd同位体分析の分析精度・確度についてさらなる検討を行うことを目的として、詳細なU-Pbジルコン年代が既報であるカナダ・Acasta片麻岩や南西グリーンランドItsaq片麻岩複合岩体に応用する。酸素同位体分析(SHRIMP-IIe/AMC)の試料形態をHf同位体分析(LA-MC-ICP-MS)で使用可能なものに統一し、酸素同位体分析を含むSHRIMP分析の確度・精度の確認を行う。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 10件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件)
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